かまがや散歩: 千葉県北西部の鳥見神社（１５）　＜印西市・和泉いずみ鳥見とりみ神社＞

印西市内の鳥見神社の５回目。
今回は、「和泉鳥見神社」を取り上げます。

所在地は、印西市和泉〔字宮作みやざく〕622番地です。

以下の写真は、祭礼日に訪れた際に撮影したものです。

祭礼を知らせる昼花火　★
「ドン！」と単発なら「号砲」、３発続けば「三段雷」というそうです
「★」印の写真は２０１３年撮影、無印は２０１２年撮影

「奉納鎮守御祭禮」と書かれた幟

道路沿いに鳥居が見えました

神額には「金刀比羅神社」とありました
この鳥居は、昭和１８年（１９４３）に建立

琴平神社　★

「鳥見神社」という神額が懸かった鳥居がすぐ近くにありました　★
この鳥居は、安政６年（１８５９）に建立

道路沿いに明神鳥居が二つ並んでいます　★

道路沿いに二つの鳥居が並んでいるというのは、小倉鳥見神社とそっくりだと気づきました。

「いなざき獅子舞」と書かれた印西市の標柱 ★

「いなざき獅子舞」の説明板（印西市教育委員会）　★

以下に説明板の内容を書き出します。

市指定無形民俗文化財

　いなざきの獅子舞

昭和４１年（１９６６）４月１９日指定

　いなざきの獅子舞は、毎年秋分の日（元は彼岸の入り日）、和泉鳥見神社の秋まつりに奉納される。
　この獅子舞は風流系統に分類される三匹獅子舞に道化を加えたもので、全体としては勇みの姿である。

　かつての円光院地内に勢揃いした獅子は道笛の音にのって道化の露払いで社前にいたる。
　「道化の舞」に始まり、雌獅子、中獅子、大獅子の順で「四方固めの舞」、次いで道化と獅子が四方の花笠の周囲をまわる「花笠めぐりの舞」を行い、そして舞人の交替した大獅子が「網くぐりの舞」を演じて納めとなる。

　「いなざき」とは「稲先」（いなさき）に由来し、稲の収穫を前にして豊作を感謝する意味をもつといわれている。
　また、一舞の各所で演じられる道化の所作には、稲の豊作にからめて、子孫繁栄を析る気持ちが込められている。

平成１０年（１９９８）３月

印西市教育委員会

本殿前での祭礼

本殿とその前の神主さん

いなざき獅子舞１　伴奏をする「笛吹き」の二人

いなざき獅子舞２　「道化・大獅子・中獅子・女獅子」の４人が舞います　

いなざき獅子舞３　稚児４人は、「花笠めぐりの舞」の「花笠」役です

「いなざき獅子舞」については、次の記事が写真のみならず動画も含んでおり、大変参考になります。

➜ Forget-me-not　和泉鳥見神社の「いなざき獅子舞」

本神社について、大正２年（１９１３）発行『千葉県印旛郡誌』所収の「永治村誌」のうち、「神社誌」に以下のように書かれています（Ｐ.５４５）。

（８）村社鳥見神社

和泉村字宮作にあり、饒速日命にぎはやひのみことを祭る。

慶安３年（１６５０）９月１４日再興。
文化１３年（１８１６）５月１５日三建。
弘化４年（１８４７）仲夏下乾２０日修繕。

社殿、間口１間３尺５寸、奥行き１間２尺。
境内、６００坪。
氏子、５０戸。

境内３社あり。即ち、
　１　三嶋神社　　大山祗命おおやまつみのみことを祭る。元禄１２年（１６９９）１２月創立。
　　　　　　　　　建物、縦５尺、横５尺５寸。
　２　天満神社　　菅原道真魂みたまを祭る。由緒不詳。
　　　　　　　　　建物、間口５尺２寸、奥行き１間。
　３　琴平神社　　須佐男命すさのおのみことを祭る。由緒不詳。
　　　　　　　　　建物、間口２間、奥行き３間。

（神社明細帳）

神社のことを詳しく知りたい者にとって大変有難いことに、本和泉鳥見神社も、大森鳥見神社同様に多くの情報を提供してくれています。

様々なことが書かれた掲示物が拝殿に表示されていました

由緒書きを以下に書き出してみます。

　鳥見神社は、印旛沼北岸内に集中して分布し、その範囲は古代の言美郷にも比定される。
　一説に大和国城上郡鳥見白庭山の鳥見大明神を勧請したともいわれ、祭神に物部氏の祖神を祀る。
　８世紀初めに成立した『常陸国風土記』には景行天皇が下総国印旛郡の鳥見の丘より霞の郷を望んだとの古伝がある。

　当社の由緒は詳らかでないが、本殿は慶安３年（１６５０）９月１４日に再興され、文化１３年（１８１６）５月１５日に建替え、弘化４年（１８４７）仲夏月２０日修繕を行い、昭和５３年（１９７８）７月吉日千葉ニュータウン造成に伴う共有地売却俸償金をもって修築されて現在にいたる。
　旧和泉村の鎮守。
　毎年秋分の日には「いなざき獅子舞」の奉納が行われている。

本神社には、多くの境内社があります。
これらについても掲示物に書かれていました。
以下は、書き抜いた境内社です。