2018年7月5日木曜日

散歩で見たもの (2018年 7月上旬) アカシデ

散策会の下見のときに見た植物です。

(1)


中沢貝塚遺跡の近くを通りかかると、イヌザクラの木があり、実が付いていました。

イヌザクラ(犬桜) 小さな実です(左下)
バラ科 ウワミズザクラ属


(2)


貝柄山公園の「野馬の親子像」近くにあるアカシデの木には、いくつも果穂 か すいが下がっていました。
シデの仲間は、花穂 か すいや果穂の形が 神社で目にする「紙垂」(しで)に似ていることから、「〇〇シデ」と名前が付けられています。

アカシデ(赤四手、赤垂) 1 特徴的な果穂
カバノキ科 クマシデ属

アカシデのほかには、イヌシデやクマシデの名が よく知られています。
これらは、葉の大きさや形、果穂の果苞の形等が違っているので、容易に見分けることができます。

アカシデ 2 葉と果穂


アカシデ 3 左: 葉の表 右: 葉の裏


アカシデ 4 果穂の果苞は3裂し、縁に粗い鋸歯があります

果苞は薄く、触るとパリパリとした感じがします。



(3)


貝柄山公園の桜の木に、紐のようなものがたくさん付いていました。
触るとフニャフニャしています。

この紐のようなものは 何でしょうか?


わが昆虫の先生 A・Sさんが教えてくださいました。


貝柄山公園で見た錆びた釘のようなものは、「ヒモミノガ」(紐蓑蛾)の幼虫がいる袋(蓑)です。
ヒモミノガは、本来 南西日本の生き物ですが、最近はこちらでもよく見かけるようになったそうです。
名前のとおりミノムシの一種(蛾)で、幼虫はキノコや地衣類を食べているようです。


触ったときに、細長い袋が空っぽであるような感じがしたのですが、動いているものもありました。
幼虫は袋の先の方にいるようです。

まだ、学名が決まっていないそうです。

ネットに情報が載っていたので、以下にアドレスを2つコピーします。
http://misumon.blog.fc2.com/blog-entry-487.html
(個人のブログ)

https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/yama/news/2016/160115psychidae.htm
(千葉県立中央博物館のサイトの一つ)


何とミノムシの一種とは
紐蓑蛾」とは、よくぞ名付けたものです。
A・Sさん、今回も詳しくお教えくださり、ありがとうございました。



(4)


住宅地には、空き地が ほとんど見られなくなり、多くの野草が姿を消しました。
代わりに、道路に面した花壇に 様々な園芸植物が植えられるようになりました。
下の写真の植物は、それらの一例です。

コンボルブルス・サバティウス(学 Convolvulus sabatius) 1
ヒルガオ科 コンボルブルス属


コンボルブルス・サバティウス 2
ヒルガオの花にそっくりです (ずっと小さいですが)


(5)


富岡二丁目ふれあいの森にクチナシの木があり、花の良い香りがしました。

クチナシ(梔子、巵子) アカネ科 クチナシ属

クチナシの果実は特徴的な形をしています。
実が大きくなったら、その写真を撮りたいと思っています。


(6)


囃子水公園に隣り合っている「囃子清水七面堂」のフェンスにヤマノイモに似た植物が花を咲かせていました。
オニドコロでした。

オニドコロ(鬼野老) 別名 トコロ(野老)
ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
雌雄異株 この個体は雄株

『大辞林』によると、「根茎は太く ひげ根を多数出し、これを老人のひげに見たて「野老」の字をあてる」のだそうです。
このオニドコロは ヤマノイモ属ですが、根茎は苦く、アルカロイドを含むため、食用には適さないそうです。
雌雄異株。
上の写真の個体は、雄花が付いているので雄株です。

なお、「アルカロイド」とは、植物に含まれる〈塩基性の有機化合物〉であり、毒性や生理・薬理作用をもつものが多いといいます。
アルカロイドと名の付くものの多くは有毒だと思っていいでしょう。

なお、タバコのニコチンや 茶のカフェイン、ケシのモルヒネなども アルカロイドです。
ナス科の植物の多くが、ソラニンというアルカロイドを含んでいます。

近くの路上にはスギの球果が落ちていました。

スギ(杉)  球果 ヒノキ科 スギ属