なかでも「泉揚水機場」は その代表的なものです。
この揚水機場の近くには、かつて 泉村(現・柏市 泉)がありました。
名前から分かるように、この場所は泉村の新田の一部でした。
「泉」揚水機場と命名された由縁です。
泉揚水機場 と その周辺 |
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用
参 考 明治時代はじめの迅速測図 |
泉揚水機場については、以下が参考になります。
では、泉揚水機場を見ていきましょう。
泉揚水機場の建物全景 |
泉揚水機場の建物を裏手からみたところ |
取水のための堀が、上の写真の左手にあります。
堀にはカワセミが飛んでくることもあるそうです。
この堀から その先150mにある手賀沼まで、揚水機に水を取り入れるための「取水樋門」が埋設されているとのこと。
断面の大きさは 3.5m × 1.5m。
その中を人が歩いていける広さがあるそうです。
(腰をかがめる必要がありそうですが。)
冒頭の地図に、赤い線で 地中に埋設されている「取水樋門」の位置を示しました。
揚水機場入口 |
担当の方が ご親切に見学の案内をしてくださいました。
泉揚水機場の概要が書かれたプレート モーターは 1台が350kWと書かれています |
揚水機は、4月17日から8月21日まで、連日稼働するのだそうです。
2台のポンプで ここから18m上にある「吐出水槽」まで揚水しています |
モーターは 3,000ボルトで稼働とのこと |
「ウズ巻ポンプ」 昭和40年(1965)から働き続けているそうです |
2本の鉄管を通して水が押し上げられています 鉄管が2本あるのは 揚水機が2台あるからです |
なぜ、揚水機が2台あるのでしょう。
農業用水が止まってしまうと、農家にとっては大打撃です。
揚水機の1台が故障したときでも、他の1台により揚水が続けられるようにするためではないかと思いました。
千葉県立手賀の丘少年自然の家に隣接しているそうです。
「吐出水槽」から「円筒分水工」をとおし、自然の落差による水圧を利用して各用水路へと行き渡らせているとのことでした。
「用水取水・送水関係系統図」 用水の送られ方がよく分かります |
泉揚水機場からは、白井市の富塚や 柏市の高柳、〈手賀の島〉最東端の布瀬に至るまで 農業用水が送られているそうです。
追 記 2018.09.03 泉揚水機場の分水範囲 (赤い点線が用水路) 千葉県手賀沼土地改良区『六十年の歩み』(2014) より |
これって大変な技術ではないのかと思いました。
上の図ですが、大津川が手賀沼に流入する部分には「鎌ヶ谷落」と書かれています。
そんなふうに よばれているんですね。
追 記 2018.09.20
千葉県環境講座「ぐるっと印旛沼」に参加したときに頂いた資料に、手賀沼水系の図が載っていました。
泉揚水機場の分水範囲と比べて見ると興味深いです。
手賀沼の水系 (千葉県環境研究センター「水環境インデックス」(2017)より) |
この追記 おわり
泉揚水機場の周りで見た 見事な稲穂 灌漑用水のおかげでしょう |
稲穂の傍には、白い可憐な花が咲いていました。
ワルナスビ(悪茄子) ナス科 ナス属 葉などには 多くのトゲがあり、そして有毒 |
本揚水機場については、以下の記事が大変参考になります。
追 記 2018.08.23
泉揚水機場から手賀沼の取水口まで歩いてみました。
泉揚水機場の裏手にある 取水用の堀 |
黄金色の田んぼの下を |
取水口のそばには、「県立 印旛手賀自然公園」という標柱がありました |
手賀沼からの取水口 |
取水樋門の水門 |
手賀沼の景観 |