2017年7月15日土曜日

鎌ケ谷の大師堂(18)
2017 郷土資料館 ミニ展示「東葛・印旛大師講 again」

郷土資料館で「東葛・印旛大師講 again」というミニ展示が行われています。

今年(2017)の5月1~5日に行われた「東葛・印旛大師講」の巡拝と市内・宝泉院における結願の様子を記録した写真パネルと資料、江戸時代以降の文化財の現物などが展示されています。

詳しくは、以下の「広報かまがや」の記事をご覧ください。

「広報かまがや」 2017.07.15号 掲載


本展のチラシ


恒例のギャラリートーク(学芸員による展示の解説)は、次のとおり行われます。

・実施日 7月15日(土)
     8月1日(火)・23日(水)
     9月8日(金)・24日(日)

・時間帯 13:30 〜 14:30


ギャラリートークの様子 (2017.07.15 撮影)


展示スペース (2階)


展示スペース (1階)


県内にあった ミニ四国八十八カ所霊場の数は40


左: 下総四郡新四国八十八ヶ所控   右: 讃岐国写准四国八十八ヶ所札所
どちらも文政5年(1822)の史料であることに注意されたい
下総四郡四国八十八ヶ所から 東葛印旛大師四国八十八ヶ所が派生

「下総四郡新四国八十八ヶ所」は、文化4年(1807)に 八千代市吉橋の貞福寺住職 存秀によって開創されたといいます。
この「下総四郡」とは、江戸時代の千葉郡、葛飾郡、相馬郡、印旛郡を指します。

「下総四郡新四国八十八ヶ所」の札所は、十五年ほどで 以下のように四つに分割・再編されました。
 ・   1 ~23番 (阿波国に相当) → 「吉橋大師」
 ・ 24~39番 (土佐国に相当) → 船橋・市川方面(未詳)
 ・ 40~65番 (伊予国に相当) → 松戸方面(未詳)
 ・ 66~88番 (讃岐国に相当) → 「東葛印旛大師」となる(1822)
「吉橋大師」や「東葛印旛大師」には、新たに上記の番号以外の札所が追加され、それぞれ八十八カ所札所の体裁が整えられました。

「下総四郡新四国八十八ヶ所」の経緯や札所の場所については、以下をご参照ください。

➜  日本を巡礼する 下総四郡八十八ヶ所

札所のリストを見ると、廃寺となったものは4寺に過ぎず、「吉橋大師」の札所のうち 54寺も廃寺となっているのと対照的です。


「東葛印旛大師」の札所を記した史料 明治16年(1883)


札所の変遷 設置場所が移っている札所があります (赤:市内)


昭和6年(1931)の 准四国八十八ケ所 順路・里程図 (下が北です)


明治28年(1895)以降の 結願区一覧表 (赤:市内)