2015年7月31日金曜日

木下街道をゆく(1) 歓喜院 (印西市・浦部)

木下街道沿いにある寺院や史跡を取り上げていきたいと思います。
1回目は、印西市浦部にある歓喜院(かんぎいん)です。

歓喜院は 松山下公園や永治小学校の近くにあります
コンビニのファミリーマートは 2015.8.29 に閉店してしまいました
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用


木下街道沿いに 歓喜院入口の看板が見えます


看板の先に道が続いています


道の先に歓喜院があります


道の右手にある建物には「兵隊屋」とあります 元は旅館だったようです


歓喜院の所在地は 印西市浦部593番地です。
旧印西市域に多くある天台宗の寺院のひとつです。

山門の前に小堂があります 観音堂でしょうか


小祠の右横には 如意輪観音像


大正2年(1913)発行『千葉県印旛郡誌』の「永治(村)誌」のうち、「寺院仏堂誌」の筆頭に 以下のように書かれています(後編 P.547)。

(4) 歓喜院

浦部村 字大宮にあり、天台宗延暦寺派にして 泉倉寺末なり。
阿弥陀如来を本尊とす。
由緒不詳。

堂宇 間口 5間、奥行き 12間半。
境内 621坪あり。
檀徒 122人を有す。

境内、仏堂3宇あり。 即ち、
 1 薬師堂 薬師如来を本尊とす。 由緒不詳。
   建物、 間口 3間半 ・ 奥行き 3間半。
 2 大師堂 弘法大師を本尊とす。 由緒不詳。
   建物、 間口 4尺 ・ 奥行き 1間。
 3 観音堂 子安観世音を本尊とす。 由緒不詳。
   建物、 間口 4尺 ・ 奥行き 1間なり。


山門(右) と 本堂(左)


歓喜院 本堂


本堂を向かって左側から見たところ



薬師堂 鰐口が見えます


立派な小堂がありました


大師堂でした


印西大師 第88番の札所となっています 印西大師の札所は89カ所


扁額には、四国第88番札所の 医王山 大窪寺おおくぼじの御詠歌が書かれています

扁額の内容を、そのまま文字に起こしてみます。

  第八十八番
    本尊 薬師如来

      なむ やくし
       諸病なかれと
        願ひ津ヽ
      詣れる ひとは
       大窪のてら

  昭和3年 永治村浦部
        願主 吉岡末五郎


薬師堂の裏には 神社がありました


神社の左側にあった いくつかの大きな石碑


大師堂や神社の背後は 切り立った崖になっています


2015年7月29日水曜日

2015.07.29 身近な植物 (7月下旬 2)

7月下旬、暑い日が続いています。
前回の記事から1週間後、目に入ってきた植物の姿です。

キウイフルーツ 実をいっぱいつけています


ナシ(梨) ずいぶん大きく実ってきました


ノウゼンカズラ(凌霄花) 花期の長い植物です


ピンク色のアメリカフヨウ(アメリカ芙蓉)


アメリカフヨウの実


左 サトイモ(里芋): 緑の茎  右 ヤツガシラ(八つ頭): 赤い茎


バンペイユ(晩白柚) ザボンの一品種です


クロアゲハ(黒揚羽) ♂


カボチャ(南瓜)


キョウチクトウ(夾竹桃)


白花のキョウチクトウ


イヌキクイモ(犬菊芋)


サルスベリ(百日紅)


わが植物の師匠 Kさん宅のネクタリン 一つ頂きました


自宅の玄関前の地面に 謎の穴が空いていました


近くには アブラゼミの抜け殻がありました

セミが羽化したのだと思いました。
下を見ると、やや白っぽいアブラゼミがいました。
私の姿に驚き、「チチーッ」といって飛び立ちました。
そして、あちらにぶつかり、こちらにぶつかりしながら、遠くに飛んでいってしまいました。


2015年7月23日木曜日

2015.07.22 身近な植物 (7月下旬 1)

梅雨も明け、夏まっ盛り。
熱暑の日が続いています。

シロバナサルスベリ(白花百日紅)  白花でも 百日「紅」


ラベンダー と ベニシジミ

以上の2枚の写真は、市役所の西側にある 新鎌ケ谷二丁目公園で撮影しました。

以下は、家の近所で撮った写真です。

ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
別 名 (園芸品種名) クロコスミア、 モントブレチア
アヤメ(菖蒲)科   ヒメトウショウブ(姫唐菖蒲)属
学 名 Crocosmia × crocosmiiflora

ご存じのとおり、学名は 「属名 + 種小名」 の二名法に拠っています。
上記写真の種の学名には、属名 と 種小名の間に 「×」の印が付いています。
これは交雑種であることを意味しています 。
その植物が 原種でない場合には、種小名の前に「×」の印を付けるのだそうです。

この「×」は 掛け算の記号を用いることになっており、アルファベットの「x」(エックス)という文字ではありません
「×」は 「クロス」と読みます。


ヒメヒオウギズイセンは、南アフリカ原産の ヒオウギズイセン(Crocosmia aureaヒメトウショウブ(Crocosmia pottsii との交雑種であり、1879年にフランスのヴィクトル・ルモアーヌ(Victor Lemoine)が交配を行って作り出したものだそうです。


園芸品種名の クロコスミア または モントブレチアは、属名によって付けられました。

属名 クロコスミア Crocosmia の語源は、ギリシア語の krokos (サフラン) と osme (香り) からなる「サフランの香り」という意味で、乾燥させた花をお湯に浸すとサフランのような香りがすることに由来しているそうです (サフランは、アヤメ科 クロッカス属です)

また、属名のシノニム(別名、同意語)である モントブレチア Montbretia は、ルモアーヌが コクベール・ド・モンブレ (Coquebert de Montbret)に敬意を表して献名したことに由来しています。


なお、以下のページには ヒメヒオウギズイセンについて詳しく書かれています。

➜ 東京都東部9公園   ヒメヒオウギズイセン (通称 : モントブレチア)


 マンデビラ(Mandevilla) 別名 ディプラデニア キョウチクトウ科
ブエノスアイレス駐在だったイギリス公使 マンデヴィルの名に因んで命名


イソトマ(Isotoma) 別名 ローレンティア キキョウ科
 ギリシア語の isos(等しい)+ tome(分割)「等しい切片」から命名


オニユリ(鬼百合)

オニユリは、観賞のためや、「百合根」として球根を食べるために栽培されています。
ヒガンバナと同様に 3倍体であるので、種子はできないそうです。
その代わりに、葉腋にムカゴ(珠芽)ができ、これがこぼれて繁殖するとのことです (上の写真の中央部には 黒っぽいムカゴが写っています)。


アメリカフヨウ 別名 草芙蓉


ヤツガシラ(八つ頭)の葉 葉脈が美しい


アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)の幼果


シロヨメナ(白嫁菜) ?

いわゆる「野菊」の仲間の判別は けっこう難しいもののようです。

以下のサイトが参考になりました。

➜  里山再生計画 ノギクの見分け方


ミソハギ (禊萩、 溝萩、 千屈菜)


キツネノボタン(狐の牡丹)


この時季、ムクゲの花があちらこちらで美しい花を咲かせています。

ムクゲ(木槿) かなり高いところに咲いている花


紫色の花のムクゲ


白い花のムクゲ




2015年7月17日金曜日

植物の分類体系

アガパンサス(Agapanthus) 和名 ムラサキクンシラン
キジカクシ目 ヒガンバナ科 アガパンサス属

園芸植物の図鑑2冊を購入して、アガバンサスを調べたところ、どちらの本でも「ユリ科」となっていました。

アガバンサスは、現在用いられている 植物の分類体系では、以下の目・科に含められています。

➊ 新エングラー体系 ユリ目 ヒガンバナ科

➋ クロンキスト体系  ユリ目 ユリ科

➌ APG体系      キジカクシ目 ヒガンバナ科

私が購入した2冊の園芸植物図鑑では、その分類を ➋のクロンキスト体系に拠っているようです。
➊と➌の分類体系では、同じヒガンバナ科となっていますが、高位の目が異なっています。
本ブログにおいては、維管束植物(Vascular plants)の分類名を APG体系に拠っています。


上記三つの植物分類体系は、➊から➌の順に提唱されています。
それぞれの分類体系の概略は、以下のとおりです。

➊ 新エングラー体系 (modified Engler system)

エングラー体系をもとに、1953年及び1964年にハンス・メルヒオールらが提唱した植物の分類体系。
現在も、広義の植物すべて(藻類から被子植物まで)を扱う唯一の分類体系。

➋ クロンキスト体系 (Cronquist system)

1980年代にアーサー・クロンキストが提唱した被子植物の分類体系。
形態などの表現型を基にした従来の分類法としては、学術分野において 事実上の標準(デファクト スタンダード)でした。

➌ APG体系 (APG system)

1998年に公表された被子植物の新しい分類体系。
DNAのゲノム(遺伝情報の全体)配列を解析することによって分類を行う分子系統学に基づいています。
最新版は2009年に公表された APG Ⅲ。

最新の成果を反映した図鑑等では、植物分類を APG Ⅲ に拠っています。

「APG」は、この分類を行っている植物学者の団体である「被子植物系統発生(論)グループ (Angiosperm Phylogeny Group) 」の略称。
このグループ名は、「アンジオスパーム ・ ファイロジェニー ・ グループ」と読むようです。


2015年7月16日木曜日

2015.07.15 身近な植物 (7月中旬)

早くも7月の中旬。
暑い日々が続いていますが、花は色とりどりに咲いています。

ルリマツリ(瑠璃茉莉)   別名 プルンバーゴ(Plumbago)
鉛(ラテン語で plumbum)の中毒に効くとのことですが


ノウゼンカズラ(凌霄花) 一日花ながら 次々に開花


デロスペルマ・クーペリ (学名 Delosperma cooperi
別名 耐寒マツバギク ハマミズナ科 デロスペルマ属


タイリンキンシバイ(大輪金糸梅) オトギリソウ科 オトギリソウ属
ビヨウヤナギ(美容柳)と同属です 大きな葉は「十字対生」


オニユリ(鬼百合) いわずもがな ユリ目 ユリ科


サルビア・ガラニチカ(通称 メドーセージ) シソ科


ブラックベリー 実が黒く熟してきています


ムラサキクンシラン(紫君子蘭) 別名 アガパンサス
ネギと同じく ヒガンバナ科です

園芸植物の図鑑2冊を購入して、アガバンサスを調べたところ、どちらの本でも「ユリ科」となっていました。

アガバンサスは、現在用いられている 植物の分類体系では、以下の目・科に含められています。

 ➊ 新エングラー体系 ユリ目 ヒガンバナ科
 ➋ クロンキスト体系  ユリ目 ユリ科
 ➌ APG体系      キジカクシ目 ヒガンバナ科

私が購入した2冊の園芸植物図鑑では、その分類を ➋のクロンキスト体系に拠っているようです。
➊と➌の分類体系では、同じヒガンバナ科となっていますが、高位の目が異なっています。
本ブログにおいては、維管束植物(Vascular plants)の分類名を APG体系に拠っています。


上記三つの植物分類体系は、➊から➌の順に提唱されています。
それぞれの分類体系の概略は、以下のとおりです。

➊ 新エングラー体系 (modified Engler system)
 エングラー体系をもとに、1953年及び1964年にハンス・メルヒオールらが提唱した植物の分類体系。 現在も、広義の植物すべて(藻類から被子植物まで)を扱う唯一の分類体系。

➋ クロンキスト体系 (Cronquist system)
 1980年代にアーサー・クロンキストが提唱した被子植物の分類体系。 形態などの表現型を基にした従来の分類法としては、学術分野において 事実上の標準(デファクト スタンダード)となっている。

➌ APG体系 (APG system)
 1998年に公表された被子植物の新しい分類体系。 DNAのゲノム(遺伝情報の全体)配列を解析することによって分類を行う分子系統学に基づいている。 最新版は2009年に公表された APG Ⅲ。
 「APG」は、この分類を行っている植物学者の団体である「被子植物系統発生グループ (Angiosperm Phylogeny Group) 」の略称。