2014年11月30日日曜日

印旛を歩く(4) 鷲宮わしのみや神社 (印西市・鎌苅かまがり

前回の記事で取り上げた東祥寺の入口右手には 鷲宮わしのみや神社があります。
所在地は 印西市(大字)鎌苅542番地です。

鷲宮神社は由緒ある神社であり、埼玉県久喜市に本社があります。
詳しくは、以下をご覧ください。
 ➜  鷲宮神社 ホームページ

鷲宮神社は、「土師部(はじべ)」の人々が創建した神社との伝承があり、初めは「土師宮(はじのみや)」と称していたのが、いつからか「はじ」が「わし」に訛って現在の社名になったと伝えられています。
 ➜  久喜市 ホームページ 鷲宮催馬楽神楽の紹介

久喜市の本社に伝承されている重要無形民俗文化財(国指定)「鷲宮催馬楽神楽」は、関東神楽の源流とされているそうですが、その正式名称は「土師一流催馬楽神楽(はじ いちりゅう さいばらかぐら)」といい、「土師」の名が冠せられています。

 
鷲宮神社の鳥居 典型的な両部鳥居です


鳥居に懸かっている神額


社 殿


多くの神社が合祀されていました。
それぞれは石祠ではなく、神社ごとに小社が建てられていました。

小社の中には天満宮が祀られていました


不明な小社 1


不明な小社 2


小社内の様子


不明な小社 3


不明な小社 4


中には大杉神社が祀られていました


➜  印旛を歩く(3) 東祥寺 (印西市・鎌苅かまがり

➜  印旛を歩く(5) 印西市印旛支所 (印西市・美瀬)


2014年11月28日金曜日

印旛を歩く(3) 東祥寺 (印西市・鎌苅かまがり

東祥寺は 印西市(大字)鎌苅543番地1 にあります。
この周辺は明治時代の中頃まで 鎌苅(かまがり)村という地区でした。

大正2年(1913)発行の『千葉県印旛郡誌』の「宗像村誌」には、東祥寺について以下のように書かれています(後編 P.415~416)。

 (8) 東 祥 寺
鎌苅村にあり、曹洞宗にして長国寺末なり。釈迦牟尼如来を本尊とす。
宗祖、道元禅師の13世法孫 開山・文和暁尚、大永元年(1521)9月創立。
明治7年(1874)10月焼失。明治8年(1875)2月仮本堂再建す。
堂宇、間口 7間 奥行き5間3尺。境内794坪あり。檀徒60戸を有す。


入口には「不許葷酒入山門」とあります

道路に面して「不許葷酒入山門」と刻まれた 戒壇石かいだんせきとよばれる石塔が建っています。
これは 「葷酒(くんしゅ) 山門にるを許さず」と読み、戒壇石は 寺院という聖域を定める結界石けっかいせきの意味をもっています。

「葷」とは、ニラ、ニンニク、ネギなどの臭気ある蔬菜類(葷(くん))や、カラシ、トウガラシなどの辛みのある刺激物(辛(しん))に、肉を含めたものであり、精力が出るといわれる食物をさしているといいます(雄山閣『日本石仏事典』)。
それらの食物や酒を、その先の修行の場に持ち込むことを禁止するという文言です。

山門に至る道


山門前の右側には 女人講の碑や如意輪観音像が並んでいます


「曹洞宗 東祥禅寺」とあります 山号は「大雄山」


山門の左側にあった板には 意味ありげな言葉が

この板は「木版」(もっぱん)というそうです。
曹洞宗の修行僧は、振鈴しんれいという大きな鈴の音で目覚めた後、この木版の音を聞いて顔を洗うとのこと。

木版には、以下のように書かれています。

  白 大 衆
  生死事大 (しょうじ じだい)
  無常迅速 (むじょう じんそく)
  各宜醒覚 (かくぎ せいかく)
  慎勿放逸 (しんもつ ほういつ)

書き下すと以下のようになります。

  大衆だいしゅ(修行僧)もう

  生死のことは事大にして
  無常迅速なれば
  おのおの宜しく醒覚し
  慎んで放逸なることなかれ

「事大」は「大事」、「醒覚」は「覚醒」と文字の順を変えれば意味が分かりやすくなります。


山門の右側にあった「夢大師」のお堂


山門は鐘楼を兼ねていて 2階部分に梵鐘があります


2階の鐘楼部 中央には鐘を突く棒(橦木しゅもく)が、左側には梯子が見えます


印西大師 第四十番札所の大師堂


印西大師 四十番札所の扁額

本家 四国八十八カ所霊場の第40番、平城山へいじょうざん 薬師院やくしいん 観自在寺かんじざいじの御詠歌が写されています。

  心願や 自在の春に 花咲きて
  浮世のがれて 住むや けだもの


印西大師 第九番札所の大師堂


印西大師 九番札所の扁額

本家 四国八十八カ所霊場の第9番、正覚山しょうかくざん 菩提院ぼだいいん 法輪寺ほうりんじの御詠歌が写されています。

  大乗の 誹謗ひぼうとがも ひるがえし
  転法輪てんぼうりんの 縁とこそきけ


境内にある建物の案内掲示板がありました


本 堂 「大雄山」と扁額が懸かっています


東祥寺の南側は崖になっています

以下の地図を見ていただくとわかるように、東祥寺は 舌状台地の根元の細い部分に建っています。

東祥寺と その周辺の地図
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用

東祥寺の隣には 鷲宮わしのみや神社があります。
この神社については、次回取り上げる予定です。


➜  印旛を歩く(2) 真珠院 (印西市・造谷つくりや

➜  印旛を歩く(4) 鷲宮わしのみや神社 (印西市・鎌苅かまがり


2014年11月25日火曜日

2014.11.25 野生植物展 「秋に色づく野草たち」(環境課主催)

市役所の1階市民ホールで、画家・二戸捷幸に と かつゆき氏による植物画(ボタニカル・アート)展が行われていました。

「広報かまがや」2014年11月15日号

最終日に見にいきました。

本物の絵に 目の前で接することができ、詳細に描き込まれていることが見て取れ、いつもながらに感心しました。

展示タイトル


展示スペース 正 面


右側の展示タイトルの裏側にも展示されていました


左側の奥にも展示されていました 

見知った植物も 絵になってみると、また違った生々しさを感じます。

額のガラスへの写り込みがあってちょっと見づらいですが、植物画を部分的に撮ったうちの何枚かを以下に載せます。

ノハラアザミ (部分)


アキノノゲシ (部分)


アカネの根 (部分)


アキノタムラソウ (部分)


ヘクソカズラ (部分)


ススキの根 (部分)


展示されていた植物画 (全 20種)

 ➀ カラスウリ
 ➁ ノハラアザミ
 ➂ シラヤマギク
 ➃ ヨモギ
 ➄ アキノノゲシ
 ➅ ミゾソバ
 ➆ シロバナイヌタデ
 ➇ ヌマガヤツリ
 ➈ ヒヨドリバナ
 ➉ カシワバハグマ

  オトコエシ
  ヒヨドリジョウゴ
 ⑬ アカネ
 ノダケ
 ⑮ メヒシバ
 ⑯ ヤブマメ
 ⑰ アキノタムラソウ
 ⑱ イヌビエ
 ⑲ ヘクソカズラ
 ⑳ ススキ


2014年11月23日日曜日

2014.11.22 晩秋の本埜 (印西市 ・ 滝 ➞ 物木)

印西ウエットランドガイドの里山調査で、旧本埜村の滝地区から物木地区にかけて歩きました。

滝・物木コース
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用

JR 小林駅
小林牧場
瀧水寺
斜面林下の祠
湧水ポイント
龍湖寺
諏訪神社
物木落
本埜公民館 〔本埜スポーツプラザ〕
印西市役所 本埜支所

スタッフの集合場所は 小林牧場()でした。
小林牧場は、JR 小林駅や 北総線 印西牧の原駅から歩いても、そう遠くありません(徒歩 30分程度)。
本数は少ないですが、小林牧場まで行くバスが出ており、北総交通バス(路線バス) や ふれあいバス(印西市コミュニティバス)が利用できます。

出発したあと、畑を横に見ながら 瀧水寺へと向いました。

燃やしてるのは 剥いたあとに乾かしておいたネギの皮だそうです


畑には 何やら動物の足跡が・・・


イノシシが出没し 農作物を荒らすそうです


コセンダングサの花


コセンダングサの種 ヒッツキムシです


春の花 ホトケノザが咲いていました


秋型のキタテハ 成虫で越冬します


瀧水寺に到着。  しばらく お寺を見学しました。
瀧水寺については、以前に書いた下記の記事をご覧ください。

 ➜  本埜の古刹(1) 瀧水寺(印西市・滝)


瀧水寺の薬師堂 右側の道は谷津へと下りています (


谷津へと下りる道


道の左側には 搾り水の出口が見えます


谷津に下りると、祠があり その近くには溜池がありました (


谷津へと下りた道を引き返し、台地上をしばらく進みました。

最近は矮小化してしまった セイタカワダチソウ


カキノキの畑があり、木には実をとった後のヘタがついていました


アメリカイヌホウズキの花 ナス科の花の特徴が見てとれます


ハキダメギク 牧野富太郎が掃き溜めで見つけて、こう命名したそうです


オオオナモミの実 これもヒッツキムシです 


ノボロギク 筒状花であり、花びらは開かないそうです


再び谷津に下りると、斜面林の下の方に 泉のように水が流れている場所がありました。

斜面の下端から パイプを伝って水が出ていました (


また坂を上り、龍湖寺へと向かいました。
龍湖寺については、以前に書いた下記の記事をご覧ください。

 ➜  本埜の古刹(3) 龍湖寺(印西市・物木)


龍湖寺の鐘楼 いまは梵鐘がありません (


見事に黄葉した境内のイチョウ


オオカマキリがいました


ハラビロカマキリもいました


路傍の パンパスグラス と 皇帝ダリア

正式な種名は、パンパスグラス が シロガネヨシ、 皇帝ダリア が キダチダリアです。
ちなみに、日本のススキは 「Japanese pampas grass」と英訳されているようです。


次に 龍湖寺の近くにある諏訪神社に寄りました。

諏訪神社の石段 139段もあります (


諏訪神社の社殿


境内にあった スダジイの古木


諏訪神社を後にして先に進むと、路傍に トックリバチの巣がありました


もう一度 谷津へと下りて、水辺を見ました。

湧水の溜まっているところがあります


マコモが密生している湧水溜まりもありました


湧水を集め 北印旛沼へと流れている 物木落ものきおとし ( 岸の草はマコモ


本埜中学校の横を通って、最終地点の本埜公民館( )〔本埜スポーツプラザと同じ建物〕へと向かいました。

アオイ科のフヨウの実


フヨウの実が開いた後 S氏から「枯れ芙蓉」という言葉を教わりました


園芸品種のメランポジウム (学名 Melampodium paludosum


キダチチョウセンアサガオ (エンゼル・トランペット) ナス科です


帰りは、印西市役所 本埜支所()からバスに乗って帰りました。


キク科の植物が多く見られた晩秋の一日でした。
写真で見たものをリストアップしてみると 以下のとおりです。

 ・コセンダングサ
 ・セイタカアワダチソウ
 ・ハキダメギク
 ・オオオナモミ
 ・ノボロギク
 ・キダチダリア
 ・メランポジウム


名前がわからない植物については、いつものように S氏に教えていただきました。
また、写真による植物の同定についても 大変お世話になりました。
この度も 感謝申し上げます。