簡単な説明
● 和名 サルスベリ(猿滑)
本種は 中国原産の落葉小高木である
江戸時代初期に本邦に渡来した
● 分類 バラ類 フトモモ目 ミソハギ科 サルスベリ属
● 花 円錐花序 花期: 7~10月 花については本記事で詳述
対生することもある
丸みのある卵形で、葉先がくぼむ葉も多い
そうだというのが和名の由来
枝や幹は曲がって伸びる
● 特徴など 花期がとても長く、次々に花を咲かせるため「百日紅」の別
名がある
外部参考サイト
全体の形
サルスベリ( (2015.07.29 撮影) |
幹の形態
サルスベリの幹(木肌) (2016.08.26 撮影) |
葉の形態
コクサギ型葉序(2対互生)の葉 A (2016.09.07 撮影) |
コクサギ型葉序(2対互生)の葉 B (2016.08.31 撮影) この個体では、葉の出ている向きが 1枚1枚異なっています |
異なる葉序の葉 (2016.08.26 撮影) この個体は、互生と対生が交じっており、コクサギ型葉序ではありません |
花の形態
サルスベリの花 (2016.08.07 撮影) |
サルスベリの花は、実に不思議な形をしています。
咲く直前の蕾 (2016.08.13 撮影) |
写真を見て分かるように、蕾は6個の縫線をもつ萼に収まっています。
開ききっていない萼の裂け目から 花弁が出ています (2014.08.20 撮影) |
萼は6裂し、その裂け目からは 細長い付け根をした6つの花弁が出ます。
萼が星形に開いています (2016.08.11 撮影) |
花軸から離れてついている花弁は、フリルのように縮れています。
花には 多くの雄しべがあります (2016.08.07 撮影) |
サルスベリの花には、中央に黄色い葯をもった小さな40本前後の雄しべがあり、その周りにも花糸の長い6本の雄しべが出ています。
雄しべには 2種類あります (2016.08.07 撮影) |
花の中央に多数ある雄しべの葯の花粉は 不稔性であり(生殖能力がない)、花糸の長い方の6本の雄しべだけが稔性をもっています。
不稔性の雄しべは花粉を運ぶハチなどを誘い、その餌になります。
葯が食べられるとき、稔性のある長い雄しべの花粉がハチなどに付着し、花粉が運ばれます。
実に見事な仕組みです。
このことを 植物に詳しい方から ずっと前に聞いたとき、とても驚いたものです。
花の色は、赤、桃紫色、紫色、白などです。
シロバナサルスベリ(白花百日紅) 白花でも 百日「紅」 (2015.07.21 撮影) |