2018年3月1日木曜日

2018.02.03~03.04 印旛沼周辺の神社展 (印西市印旛歴史民俗資料館)


1 印旛沼周辺の神社について


印西市印旛歴史民俗資料館で 企画展「古代の印旛沼周辺 ―鳥見 ・ 宗像 ・ 麻賀多神社について―」を開催しています 。
(終了しました。)

企画展のチラシ


以下は、印西市のHPに載っていた案内です。

・ 内 容  印旛沼周辺には、「鳥見神社」・「宗像神社」・「麻賀多神社」がそれぞれ分布圏を形成しています。 これらの神社について考え、また、それに重なるように分布する古墳と古代豪族との関係についても紹介します。

・ 場 所  印西市印旛歴史民俗資料館 学習室

・ 開催期間 2018年2月6日(火)~3月4日(日)
・ 開館時間 9:00~17:00

・ 休館日  月曜日
・ 入 館  無 料


企画展の様子です。

入口には、企画展の資料が置かれていました


展示の様子


宗像神社 ・ 鳥見神社 ・ 麻賀多神社の分布図


「ムナカタ」の名が付く神社は、全国に69社あるとのこと 赤字:追加部分




2 師戸宗像神社の「遷宮祝詞」 ―― その解読


宗像神社の祝詞が記された古文書が展示されていました。

師戸邑もろ と むら 宗像大明神 遷宮祝詞のりと 文化14年(1817)

以下は、写真を見ながら翻刻し、仮名を振ったものです。
翻刻に当たっては『印旛村史』を参考にし、読み方については『祝詞作文』(1904)を参考にしました。

遷宮祝詞 翻刻

書き下してみました。
間違っている箇所も多々残っていることと思います。

遷宮祝詞 書き下し文


また、岩戸宗像神社が遷宮を行ったときの境内配置を記した古文書も展示されていました。

宗像大明神岩戸〉 境内絵図 境内配置図が記されています

分かるところだけ翻刻したものを持参し、鎌ケ谷市郷土資料館の学芸員 G先生に 不明な点を教えていただきました。
おききすると、即座に読み方を教えてくださいました。
プロフェッショナルはすごいものだと思いました。
赤い字の部分が教えていただいた箇所です。

岩戸宗像神社 境内配置図 翻刻


それでは、もう一度 展示会場に戻りましょう。
以下は、展示の最後に掲示されていたパネルです。

「まとめにかえて」で、宗像族が当地に到来した経緯を推察しています

左の図を作成した小倉博氏による考察は、図とともに 以下の P.15 に引用されています。

➜  いんばぬま 情報広場 白鳥孝治 『印旛沼物語』 (印旛沼流域水循環健全化会議・千葉県 2014)

また、原文は 以下のサイトで読むことができます。 (サービスの提供が終了してしまいました。)

➜  小倉 博 「印旛沼周辺の神社と古代氏族」 (印旛沼環境基金 『印旛沼 ー自然と文化ー』 1994)



追 記 2018.03.24

師戸宗像神社の「遷宮祝詞」について、読み方が分からなかった箇所を 鎌ケ谷市郷土資料館の学芸員 G先生に教えていただきました。
また、「岩戸宗像神社 境内配置図」の翻刻においても、多くの部分を G先生に教えていただきました。
ここに厚く御礼申し上げます。

全てが読み解けたときの嬉しさは、これ以上のものがありません。