イヴ・ボンヌフォワ〔Yves Bonnefoy (1923-2016)〕に 『ドゥーヴの動と不動』(
Du mouvement et de l'immobilité de Douve. Paris: Mercure de France, 1953)という詩集があります。
その中に、俳句のように短い詩があります。
以下が、その全文です。
Tu as pris une lampe et tu ouvres la porte.
Que faire d'une lampe, il pleut, le jour se lève.
おまえはランプを手に取り、戸を開ける
ランプをどうする 雨が降ってる 陽がのぼる
学生時代に この詩を初めて読んだとき、とてもショッキングでした。
闇夜を歩く支えになっていたランプも、雨や日光により役に立たなくなります。
ランプは、この世界を認識するための行為を象徴しています。
あるとき、それが何の役にも立たなくなるのです。
ボンヌフォワの詩の一部は、以下のサイトで邦訳を読むことができます。
➜ ひとりだけの書斎 石の詩