2019年2月25日月曜日

ボンヌフォワの短い詩

イヴ・ボンヌフォワ〔Yves Bonnefoy (1923-2016)〕に 『ドゥーヴの動と不動』(Du mouvement et de l'immobilité de Douve. Paris: Mercure de France, 1953)という詩集があります。

その中に、俳句のように短い詩があります。
以下が、その全文です。

  Tu as pris une lampe et tu ouvres la porteチュ ア プリ  ユヌ  ランプ エ チュ ウーヴル ラ ポルト.

  Que faire d'une lampe, il pleut, le jour se lève ク フェール デュヌ  ランプ  イル プルー  ル ジュール ス レーヴ.

  おまえはランプを手に取り、戸を開ける

  ランプをどうする 雨が降ってる 陽がのぼる

学生時代に この詩を初めて読んだとき、とてもショッキングでした。

闇夜を歩く支えになっていたランプも、雨や日光により役に立たなくなります。
ランプは、この世界を認識するための行為を象徴しています。
あるとき、それが何の役にも立たなくなるのです。


ボンヌフォワの詩の一部は、以下のサイトで邦訳を読むことができます。

➜  ひとりだけの書斎 石の詩