川向こうの町から 宵闇が来る
煙突も家並みも 切り絵になって
(中 略)
ヒメジョオンに埋もれて (略)
土手と空のあいだを風が渡った
(後 略)
なかなか しみじみとした いい歌です。
「ハルジョオン」は「ハルジオン」とも呼ばれます。
百科事典でも、小学館のものは「ハルジョオン」、平凡社のものは「ハルジオン」を見出し項目としています。
手持ちの植物図鑑を見ると、見出し項目に 両方が併記されているものがあります。
国語辞典は、どちらかを見出し項目とし、他方を別名としてあげています。
ここでは「ハルジオン」という呼称の方を使うことにします。
( 追 記 2014.07.28 )
↑ この段落は、わが自然観察の先生であるA氏の助言により追記しました。さて、このハルジオン と ヒメジョオンですが、ともに キク科 ムカシヨモギ属 であり、遠目には とてもよく似て見えます。
しかし、花が咲く時期が違っているうえ、よく見ると花などの形が異なっているので、区別はそう難しくありません。
ハルジオン(春紫菀) はその名のとおり、春に咲きます。
名前に「紫」とつきますが、白い花のものも多く見られます。
千葉県北西部で 4~5月に見られるのはハルジオンです。
ヒメジョオン(姫女菀)は、6月の中旬以降に花が目立ち始めます。
夏の花だといってよいでしょう。
見なれると、両者は花の花弁のつき方がとても異なっていることに気づきます。
ハルジオンの花は、花弁(舌状花)が細くて糸状に見え、全体的にモシャモシャとした感じです。
ハルジオン(春紫菀)の花 花弁が細かく糸状です |
一方、ヒメジョオンの花は、花弁(舌状花)が一枚一枚はっきりと分かれて見え、やや菊の花に似ています。
ヒメジョオン(姫女菀)の花 花弁の一枚一枚がはっきりしています |
どちらか判別できないときには、茎を折ってみるとわかります。
春に咲くハルジオンの方は、茎がパイプ状で中がスカスカです。
ハルジオンの茎は、中空です |
ヒメジョオンの茎は、中が白い髄で詰まっています |
ハルジオンとヒメジョオンの違いについては、以下のページに詳しく書かれていて、大変参考になります。
➜ はやしのなか ハルジオンとヒメジョオンの覚え方と見分け方
また、以下のページでも簡潔に説明されており、見事です。
➜ 花盗人の花日記 ハルジオン ヒメジョオン
以下にハルジオンとヒメジョオンの写真を載せます。
どちらも花の色が一色ではないことに注目して見てください。
まず、ハルジオンから。
白い花のハルジオン 1 |
白い花のハルジオン 2 |
紫色の花のハルジオン 1 |
紫色の花のハルジオン 2 |
以下は ヒメジョオンです。
道端で繁茂するヒメジョオン |
道路脇に つらなって咲くヒメジョオン |
白い花のヒメジョオン |
ピンクっぽい色の花をつけたヒメジョオン |
追 記 2014.10.12
ヒメジョオンの花が 10月の上旬だというのに花を咲かせていました。
ヒメジョオンの花が 10月の上旬だというのに花を咲かせていました。
花期が、なんと半年近くにわたっています。
2014.10.08 鎌ケ谷市制記念公園近くで撮影 |