所在地は、印西市(大字)竜腹寺626番地。
明治の中頃までは、この周辺は龍腹寺村と呼ばれる地区でした。
龍腹寺の位置 |
国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものを利用
龍腹寺は、前回取り上げた瀧水寺と同じように、本堂と地蔵堂が離れて建っています。
はじめに本堂の方から見ていきましょう。
龍腹寺本堂がある境内には 門扉が閉まっていて入れません |
ここには お堂がありましたが、戦後すぐに深川不動尊に移築されました |
本堂からしばらく北に進むと 仁王門が見えてきます。
仁王門の奥に地蔵堂があります。
本堂から少し離れて仁王門があります こうした配置は瀧水寺に似ます |
仁王門の右が深い谷となっているのも、瀧水寺薬師堂横の地形にそっくり |
仁王門前の左右には 6面に彫られた六観音・六地蔵、右手には大師堂 |
六道輪廻の思想をあらわす 六観音と六地蔵は 左右一対で置かれることが多いといいます。
仁王門に向かって左手にある 六観音 |
仁王門に向かって右手にある 六地蔵 |
龍腹寺には、全部で3つの大師堂があります。
2つは札所で、1つは番外です。
大師堂(1) 印西大師 第三十九番札所 |
印西大師 第三十九番札所(龍腹寺)の扁額 |
本家の第三十九番札所は、赤亀山 延光寺 (しゃっきざん えんこうじ)。
その御詠歌が そのまま扁額に書かれています。
「南無薬師 諸病悉除の 願こめて 詣るわが身を 助けましませ」
(なむやくし 諸病しつぢよの 久゛わん古めて
ま以るわかみを たすけましませ)
仁王門は、わらじや木槌が掛けられているのが特徴的です。
仁王門には わらじや木槌が掛けられています |
仁王像二体は修復されてカラフルに塗装もされているようですが、仁王門の中には見えません。
仁王門には 仁王像が二体あるはずですが、よく見えません |
仁王門をくぐって先に進むと、地蔵堂があります。
龍腹寺地蔵堂 「延命地蔵尊」という扁額が かかっています |
大師堂(2) 印西大師 第二十一番札所 |
印西大師 第二十一番札所(地蔵堂)の扁額 |
本家の第二十一番札所は、舎心山 太龍寺 (しゃしんざん たいりゅうじ) 。
その御詠歌が そのまま扁額に書かれています。
「太竜の 常に住むぞや げに岩屋 舎心聞持は 守護のためなり」
(大りうの つねにすむぞや げにいはや
しやしんもんぢハ じ由古のためなり)
大師堂(3) 印西大師 番外の札所 「大日塚」 |
印西大師 番外札所の扁額 「大日塚」とあります |
印西大師番外の大師堂。
御詠歌は以下のように読めます。
「有難や 荒野の山の 岩陰で 大師はいまだ おはしまします」
(阿り可゛たや 古うやのやまの 以わかげで
大師はいまだ おハ志ましま春)
地蔵堂の左手にある 竜腹寺青年館 |
地蔵堂の右手にある鐘楼 |
千葉県指定有形文化財の梵鐘 南北朝時代頃の作だといいます |
梵鐘についての説明書き |
境内にある日枝神社の鳥居 提灯はお祭用 |
「村社日枝神社」ほか、いろいろと祀られています |
追 記 2014.07.30
印西ウエットランドガイドのお仲間をお誘いして龍腹寺を訪ねた後、仁王門下の谷津へと下りてみました。
谷津へと下りていく道の上には 縄が張られていました |
割 込 2014.08.14
八千代市を拠点に活躍されている蕨由美さんのホームページに、上記の縄はツジギリである旨が書かれていました。
詳しくは以下を参照してください。
➜ さわらび通信 印西市竜腹寺地区のツジギリ
➜ facebook 【印西市竜腹寺地区のツジギリ】
この割込 おわり
谷津の景観 1 |
谷津の景観 2 |
谷津の景観 3 |
帰り際に 仁王門前で見たアミガサハゴロモの幼虫 (さわると白い傘を閉じます) |
追 記 2014.08.20 アミガサハゴロモの成虫 (印西市・竹袋にて撮影) |
➜ 本埜の古刹(1) 瀧水寺(印西市・滝)
➜ 本埜の古刹(3) 龍湖寺(印西市・物木)