2016年3月30日水曜日

2016.03.29  身近な植物(3月下旬)

(1)


鎌ケ谷市市制記念公園に環境保全グループの仲間と桜を見にいったところ、まだ一分咲きにもなっていませんでした。

  はやき風 土に酒やる 花見かな


桜の根元に 小さな薄青い花が咲いていました


キュウリグサ(胡瓜草) ムラサキ科 キュウリグサ属

よく似た花を、先日 道の駅の園芸コーナーで見ました。
キュウリグサよりも大きな花ですが、花の形はそっくりです。

ワスレナグサ(忘れな草) ムラサキ科 ワスレナグサ属


近くの陸上競技場の桜も どうせ咲いていないだろうと、見にいくことをやめ、粟野の森の観察路をみんなで一周しました。

タチツボスミレ(立坪菫) スミレ科 スミレ属
観察路沿いのあちらこちらで 花を咲かせていました


タチツボスミレの花々の前に コケむした木がありました


ケヘチマゴケ(毛糸瓜蘚)でしょうか?
マゴケ植物門 蘚類  ハリガネゴケ科 ヘチマゴケ属


ケヘチマゴケ(?) 同じ場所を 少し前に撮った写真です



(2)


近くを歩いても、多くの春らしい植物が見られるようになりました。

アンズ(杏子、杏) バラ科 サクラ属
桜に似たきれいな花です (友人宅で撮影)


ギシギシ(羊蹄) タデ科 スイバ属
陽当たりがよいせいでしょうか、ジャンボに育っています


アオキ(青木) ガリア科 アオキ属
雄花なので、この株は 雄株ということですね


タチツボスミレ(立坪菫) スミレ科 スミレ属
群生はしていませんでした


レンギョウ(連翹) モクセイ科 レンギョウ属


タラノキ(楤木、桵木) ウコギ科 タラノキ属
たらの芽が先端に見えます 

  知る人の 毎春はるごとに刈る たら芽吹く


ムラサキケマン(紫華鬘) ケシ科 キケマン属


ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科 テンナンショウ属
まとまって生えていました


スギナ(杉菜) シダ植物門  トクサ綱  トクサ目 トクサ科 トクサ属


カワセミ 何を見ているのでしょう (中沢向原貯留池にて)


モクレン(木蓮) モクレン科 モクレン属
大きくて美しい紫色の花です


ギョリュウバイ(檉柳梅) フトモモ科 ギョリュウバイ属
小さな深紅の花です


2016年3月25日金曜日

印旛を歩く(28) 岩戸の庚申道標 (印西市・岩戸)

千葉県道64号を北から南へと進み、造谷つくりやを越えて岩戸に入ったところに四つ辻(十字路)があります。

近くにはバス停「大廻道おおばみち」があり、路線バス(大成交通)とコミュニティバスが通っています。

岩戸の庚申道標の位置
国土地理院 電子国土Webシステム配信の地図を利用

上の地図にある寺社は前に訪れています。
以下をクリックすると、当該記事が開きます。

➜  ➊ 真珠院
➜  ➋ 造谷宗像神社
➜  ➌ 大廻宗像神社
➜  ➍ 龍淵寺

余談ですが、地理院地図のインターフェースが 今般変更になりました。
それとともに、前回のインターフェース変更時に失われてしまった機能が復活しました。  本当に嬉しいことです。
上の地図は、この復活した機能を利用して作成しました。
国土地理院の関係各位に 心から感謝申し上げます。

さて、本題に戻ります。
十字路の一角に コンビニのセーブオン(印西岩戸店)があり、その前には庚申塔と道標を兼ねた「庚申道標」が建っています。

岩戸セーブオンの前に建っている庚申道標

石塔の四面全部に行き先が彫られています。
面白いので解読してみました。
解読時に、ネットで調べたのですが、この石塔に関する記事は見つかりませんでした。

庚申道標の正面 (西)


石塔正面の翻刻

翻刻の右側は 石塔に彫られた文字を読み取ったものであり、左側は それを今風に書き直したものです。

草深は、江戸時代には「惣深」と書かれ、江戸時代前には「草深」と書かれました。
現在も「草深」と表記されます。

草深から船尾を経て陸路 江戸へと向かったのでしょう。

この庚申塔は、大廻村と岩戸村の庚申講中が合同で造立したようです。


庚申道標の左面 (北)


石塔左面の翻刻

四面のうちで もっとも読み取りやすかった面です。

造谷を経て、滝そして木下に至るということを示しています。


庚申道標の裏面 (東)


石塔裏面の翻刻

いちばん解読が困難だった面です。
☐で示した部分は 読み取れなかった部分です。

「あふば」は「大廻」のことだと判断しました。
東に向かうと大廻を経て師戸に至ります。

「もろと☐☐」は「もろと渡し」かもしれません。
石塔をよく見ると、「もろと」の次の文字には「氵」(さんずい)が付いているように見えます。
または、「もろとかし」かもしれません。
印旛沼は川ではありませんが、川岸(かし)ということばが使われています。
いずれにせよ、印旛沼を師戸渡しで渡って、しばらく往けば佐倉です。

願主の左の方は読み取れませんが、正面の講中に「大廻村・岩戸村」と併記されていますので、たぶん同じでしょう。

造立は文政11年(1828)3月。 戊子つちのえねの年です。


庚申道標の右面 (南)


石塔右面の翻刻

印旛沼を岩戸渡しで渡り、千葉へと向かったのでしょう。
「いわと王たし」の次の文字は「゛」ではないでしょうか。
石塔を近くで見ると、「ち゛みち」の「者゛」と同じように見えます。


以下は、庚申道標 全4面の翻刻をまとめたものです。

石塔全4面の翻刻


最後に、この道標のあった場所と向きについてふれておきます。
元々の所在地は多分この十字路のどこかだったと思います。
向きについては、180度反対だったはずです。
道標は、その場所を彫った面を行き先方向に合わせるからです。
180度回転させると、各面の示す方向は地図上の行き先とピッタリと合います (この記事冒頭の地図をご覧ください)。

道標の読み取りは 実に楽しいものです。
いにしえの江戸時代が今の時代に帰ってくるかのようです。


➜  印旛を歩く(27) 師戸の「青面金剛道標」 (印西市・師戸)

➜  印旛を歩く(29) 六合小学校 ・ 瀬戸幼稚園 (印西市・瀬戸)


2016年3月23日水曜日

市川市万葉植物園 (市川市・大野町)

川沿いを歩く散策会で 市川市の万葉植物園を訪ねました。

万葉植物園は 大野緑地とよばれる高台の横に位置しています。

写真の左側が万葉植物園、右側が大野緑地


JR武蔵野線 市川大野駅から歩いて5分ぐらいです


残念ながら駐車場はありません

JR 市川大野駅からの行き方は、以下のサイトに載っている地図が参考になります。

➜  花を訪ねて 市川市万葉植物園


園の内外には、いくつかの案内板がありました。

利用案内 月曜日が休園日です


万葉植物園の園内配置図と紹介文


万葉植物園管理規定 資料室(図書室)や研修室について書かれています


詳しくは、頂いてきたパンフレットをご覧ください。

市川市万葉植物園のしおり 1 (画像クリックで拡大)


市川市万葉植物園のしおり 2 (画像クリックで拡大)


園内は広くはありませんが、手入れが行き届いていて きれいです。

万葉植物園の園内は 和風庭園になっています


では、園内の植物を見ていきましょう。
ご紹介するのは、ほんの一部であることをお断りしておきます。

アセビ(馬酔木)の木と万葉集の歌


アセビの花


ヤブカンゾウ(藪萱草)


ノビル(野蒜)


ヨモギ(蓬)


ヨモギの葉 裏側には白い毛が密に生えています


ミツマタ(三椏


ネコヤナギ(猫柳) 名前のとおりに ヤナギ科


ネコヤナギの花 雄花序でしょうか


ジンチョウゲ(沈丁花)


シキミ(樒、櫁、梻 ) 有毒です


ジュンサイ(蓴菜) 水生植物も栽培しています


カクレミノ(隠蓑) 葉の形が2通りあります


珍しいジャケツイバラ(蛇結茨) ビックリです
これも万葉植物と知って、二度 ビックリ


管理棟1階の休憩室は 展示室を兼ねていて、植物の標本や万葉集の歌などが展示されています。

左から イネ(稲)、アワ(粟)、ヒエ(稗)、キビ(黍) 穀粒が比較可能


「葛飾の真間」が詠まれた歌 (万葉集の東歌から)


万葉植物園から大柏川に向けて歩きました。
路傍にも花が見られました。
分からない植物は、いつものように Yさんに教えていただきました。

フタリシズカ(二人静) センリョウ科 チャラン属 


スノーフレーク(Giant Snowflake) ヒガンバナ科 スノーフレーク属
和名は オオマツユキソウ(大待雪草)
別名は スズランスイセン(鈴蘭水仙)


ハナニラ(花韮) ヒガンバナ科 ネギ亜科 ハナニラ属
ニラ(韮)は、同亜科ですが ネギ属です


 
モミジイチゴ((紅葉苺) 陽当たりがよいせいか葉も花も大きかったです


スイバ(酸い葉)でしょうか、ギシギシ(羊蹄)でしょうか?


葉っぱが矢尻状ではないので ギシギシでしょう


途中、大柏川第一調整池緑地に寄りました。

イヌコリヤナギ(犬行李柳)でしょうか


ヤナギ科は 雌雄異株 花が雌花のようですので、この株は雌株でしょう


ユキヤナギ(雪柳) 名前には「ヤナギ」とついてますが バラ科です


大柏川に沿って、川とその周辺を眺めながら 鬼越まで歩いていきました。

大柏川のセイヨウカラシナ(西洋芥子菜、-辛子菜) 高さ3m位でした


セイヨウカラシナの花


キュウリグサ(胡瓜草)でしょうか 小さな青い花が可愛いです


シャリンバイ(車輪梅) バラ科 シャリンバイ属
よく似たトベラは、葉の形が 葉柄に近い部分がすぼまった倒卵形です


ソメイヨシノ(染井吉野) 根に近い部分に花が咲いていました


川沿いの陽当たりのよい場所は、もう三分咲きになっています