2017年8月30日水曜日

2017.08.30 メダカの卵

飼っているメダカが産卵しました。
卵をおなかに付けた雌と雄をつがいにして、マツモ(マツモ科マツモ属の被子植物)と一緒にプラスチック製の金魚鉢に移しました。
おなかに付いた卵がなくなってから、親メダカは元の水槽に戻しました。
いったい、どのタイミングで受精するのでしょう。

受精しているのかどうか分からなかったのですが、4日ほど経つと、産卵直後は透明だった卵の中に 黒い目が見えました。
受精していたのです。
メダカの卵は、直径1.4mm程度と小さいのですが、メダカの体の大きさからすると とても大きな卵なのだそうです。

卵の成長を今後 観察していきたいと思います。


産卵から4日後







産卵から5日後



LEDライト付きのルーペで見たときに、目の周りの白い部分に光が反射して見え、まさにメダカの目が出来つつあると思いました。


(追 記 2017.08.31)


産卵から6日後


真ん中の卵は、目の周りの白い部分が見えます


背骨等、体の各部が成長しているようです

(追 記 2017.09.01)


産卵から7日後


卵の内側が だいぶ黒っぽくなってきました


もうしばらくすると 孵化します

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夜、水槽をのぞいてみると、1匹の小さなメダカが泳いでいました。
孵化には、産卵後10日ほど要するといいます (水温により異なる)。
きっと、現在もまだ孵化していない卵よりも前にマツモに産み付けられていた卵が孵化したのでしょう。

孵化した稚魚

(追 記 2017.09.02)


産卵から8日後



卵をルーペで見ると、眼球の近くにある心臓が拍動しているのが見えます。
また、ときおりピクピクと体を震わせています。


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午後に水槽をのぞいたら、さらに7匹のメダカが孵化していました。
いつの間にか、計8匹になっています。
あっという間です。
これまで写真に撮ってきた卵は、まだ孵っていません。
孵化した卵は、マツモの下の方に付いていたのでしょう。


それぞれが ちょろちょろと活発に泳いでいますので、全メダカが一緒にいるところは撮れません。

(追 記 2017.09.03)


産卵から9日後

卵からは 尾の方を先にして抜け出してきます

孵った稚魚は、ほんの少しずつ大きくなってきているようです。


(追 記 2017.09.04


産卵から10日後


これらの卵は、なかなか孵りません


活発に動き回る稚魚たち 14匹います


稚魚用の餌 裏面の説明が参考になります

卵の大方が孵り、残っている卵には変化が見られなくなったため、この記事「メダカの卵」は終了します。

(追 記 2017.09.05



2017年8月29日火曜日

2017.08.29 身近な植物 (8月下旬 ➂) ハキダメギク ・ オオニシキソウ

(1)


近所で見た植物です。

舌状花の花弁先端がギザギザに3裂した、キク科の植物が生えていました。

ハキダメギク(掃溜菊) 1 キク科 コゴメギク属


ハキダメギク 2 何とかわいそうな名前なんでしょう


白い穂の目立つ、イネ科の植物が生えていました。

コスズメガヤ(小雀茅)でしょうか
同種は イネ科 スズメガヤ属(カゼクサ属)


コスズメガヤ?
コスズメガヤの花期は 8~10月とのこと


花を付けたオオニシキソウがありました。
この花を見ようと ずっと待っていたのです。
1mmほどの大きさの 小さな小さな花でした。

オオニシキソウ(大錦草) 1 トウダイグサ科 ニシキソウ属

オオニシキソウは、以下の属に分類されています。
 ・ ニシキソウ属  大場『植物分類表』(APGⅡ)
 ・ トウダイグサ属 米倉『日本維管束植物目録』(APGⅢ)

オオニシキソウが これら2属のいずれに属すのが適当であるのかという論議はさておき、この2属には 杯状花序の花を付けるという共通特徴があります。
杯状花序においては、花びらはありません。
上の写真を少し拡大して、花序各部の名称を書き加えてみました。

オオニシキソウ 2 杯状花序の各部の名称

同じような杯状花序をもつトウダイグサ属の植物を、参考のため以下に載せます。
両方の写真で唇の形をしたものが見えますが、どちらも蜜腺です。

参 考 ポインセチア(英 poinsettia)
トウダイグサ科 トウダイグサ属


参 考 ショウジョウソウ(猩々草) トウダイグサ科 トウダイグサ属

杯状花序については、長田武正おさ だ たけまさ先生の『野草の自然史』1979 講談社)に大変見事な解説があります。
ちょっと長くなりますが、ここに引用します。


   とうだいぐさ    とうだいぐさ科 杯状花序

 灯台草の意だが、いまの灯台ではなく昔の油皿をおく台のこと。 ひょろりと立つ茎の頂にハート形の葉が輪生、そこから四方ハ方に出た枝の先に小さな苞葉と花がつく。 このまん中に油皿をおくとの見たてである。

 同じ属のノウルシやイワタイゲキでは、苞葉が花の時期に黄色くなって虫を誘う。 花はあわ粒ほどの大きさで、いくつかかたまって苞葉の根元にある。 よくよく見れば、ぽっちりしたつぼの中から何本かのおしべと一本のめしべが顔を出し、つぼのへりには四個の黄色い腺体があって蜜を分泌する。

 かりにこれを私は花と呼んだが、考えてみると、花にしてはどうもおかしい。 花なら基本的な型があろう。 外側からがく、花冠、おしべ群がめしべをとり巻くという型である。 それなのに、これはおしべとめしべをでたらめにつぼに投げこんだだけで秩序がない。

 これは花ではない、小さな花序だとして杯状花序とよぶ。 さらに強いルーペで見れば、花糸はひとつの節を境に同じ太さの柄の上にのっている。 子房も同様である。 君よ、これを何と見給うや。

 おしべ、めしべのそれぞれは、地質時代の昔には五体そろった花だったものを、ただ退化ひとすじの道を歩き続け、一個のずいにまで縮小したのだという。 おしべ めしべの柄のルーツは花柄である。 つぼは小枝の先が変化したものである。

 がくも花冠もなく、一個のおしべにまで縮小した裸花。 全植物界にこれほど単純な花はない。 でも子房の構造は複雑で、原始の花とはほど遠い。 これは蜜の分泌まで花序にゆずって、ぎりぎりまで簡素化した花である。 花が退化した代わりに、花序が花そのままの形に進化したのである。 杯状花序も代表的な偽花である。



(2)


コニシキソウに似た植物が生えていました。
コニシキソウのような葉の斑紋がありません。
葉に斑紋のないコニシキソウでしょうか、それともニシキソウでしょうか?
ここでは「ニシキソウ(?)」としておきます。

ニシキソウ(錦草)(?) 1


ニシキソウ(?) 2 花序です


ニシキソウ(錦草) 3 茎の毛は少ないように見えます



出かけた時に見た植物です。

センニンソウ(仙人草) 1
キンポウゲ科 センニンソウ属(クレマチス属)


センニンソウ 2 十文字型の花が特徴的

(追 記 2017.08.30)


2017年8月24日木曜日

2017.08.25 身近な植物 (8月下旬 ➁) オヒシバ ・ メヒシバ

(1)


近所の路傍に、オヒシバとメヒシバが混生していました。

左: 花穂の太いオヒシバ 右: 花穂の細いメヒシバ


オヒシバ(雄日芝) 1 イネ科 オヒシバ属


オヒシバ 2 花穂の近接撮影


オヒシバ 3 花穂の近接撮影 (違う角度から)


メヒシバ(雌日芝) 1 イネ科 メヒシバ属


メヒシバ 2 花穂の近接撮影


メヒシバ 3 花穂の近接撮影 (違う角度から)
(2017.08.29 撮影)


(2)


百科事典や図鑑でオヒシバとメヒシバについて調べてみました。
以下のようなことが分かりました。

共通点 (似ている点)

・ イネ科の一年草
・ 形の違いがあるが、葉が線形
・ 花穂が茎頂から放射状に出る

相違点
        オヒシバ     メヒシバ

生え方     株立ち      匍匐枝から根を下ろす
草むしり     困難       容易
葉の形     線形       広線形
高 さ     15~45cm    30~80cm

花 期     7~11月      7~11月 (違っている資料もあり)
花穂の形    太い線形     細い線形

調べたことを念頭に置いて、再度 観察に行きました。

オヒシバ(雄日芝) 1 イネ科 オヒシバ属


オヒシバ 2 全ての葉が ひとつの根元から出る「株立ち」だと分かります


メヒシバ(雌日芝) 1 イネ科 メヒシバ属 大群落です


メヒシバ 2 匍匐枝から根を下ろので、形にまとまりがありません

(追 記 2017.08.29)


追 記 2017.08.30

花穂を採ってきて、スキャンしてみました。

左から オヒシバ、 メヒシバ、 コメヒシバ

『イネ科ハンドブック』(2011 文一総合出版)には、実物大の花穂の写真が載っています。
そのため、採ってきた標本と容易に見比べることができます。
今回、小さなメヒシバだとばかり思っていた植物が「コメヒシバ」(小雌日芝 ・ イネ科 メヒシバ属)だと分かりました。
「実物は強し」です。


追 記 2017.09.01

コメヒシバの写真を追加します。

コメヒシバ(小雌日芝) 1 イネ科 メヒシバ属


コメヒシバ 2 花穂が3つに分かれています

コメヒシバの特徴は以下のとおりです。
・ イネ科 メヒシバ属の一年草
・ 半日陰の場所や 家の北側等に生育する
・ 高さは25~45cm (メヒシバよりも小さい)
・ 茎は細く、地面を這い、節から根を下ろす (メヒシバと同様)
・ 花期は 8~11月
・ 茎頂の1カ所から2~4本前後の花穂を掌状に出す

※ 高さ、花期等については、『イネ科ハンドブック』を参考にしました。


2017年8月22日火曜日

2017.08.22 身近な植物 (8月下旬 ➀) ムラサキゴテン ・ アベリア

(1)


紫色の葉をもった植物を2種見ました。

ムラサキゴテン(紫御殿) 1
ツユクサ科 ムラサキツユクサ属(Tradescantia

ムラサキゴテンの学名は、「Tradescantia pallida 'Purpurea'」。
種小名の「pallida」は、ラテン語の「pallidus (= pallens)」であり、「薄い色の」という意味だそうです(『植物ラテン語事典』)。
「Purpurea」は、「紫色の」という意味。
シノニムは、「Setcreasia pallida 'Purple Heart'」。
園芸品種として、「セトクレアセア」や「パープル ハート」の名で流通しているようです。

ムラサキゴテン 2 いかにもツユクサ科らしい花
午前中に咲き、午後には しおれてしまいます

次も紫色をした植物。

オキザリス・トリアングラリス (Oxalis triangularis)
カタバミ科 カタバミ属
別名  インカカタバミ、 「紫の舞」
紫色をした特徴的な三角形の葉が 種小名の由来


フェンス沿いの路上に繁茂していた植物です。

スベリヒユ(滑莧) 1 スベリヒユ科 スベリヒユ属


スベリヒユ 2 比較的 花期の長い植物です


(2)


「東中沢ふれあい緑道」の ささやかな流れの上に枝を差し延べている植物がありました。

ヤツデの隣に 対生の葉が見えます


花の形が ウグイスカグラ っくりです

この植物は一体なんでしょう?
近くで花を咲かせている植物を見て分かりました。

アベリア(学 Aberia) 
スイカズラ科 ツクバネウツギ属(Aberia

ウグイスカグラも アベリアも、スイカズラ科なのでした。
花の形が似ている訳です。

(追 記 2017.08.23


(3)


舗装された道路の横のわずかな隙間から、小さな花をいっぱい付けて 逞しく生きる植物がありました。

カラミンサ・ネペタ(Caramintha nepeta) 1 シソ科 トウバナ属
園芸種が逸出して野生化したものです


カラミンサ・ネペタ 2 全草に芳香があります


次もシソ科の植物です。

ハナトラノオ(花虎の尾) 1
シソ科 ハナトラノオ属
別名 カクトラノオ(角虎の尾)

比較的に太い茎は、稜のある正方形の断面をもっています。
別名に「カク」(角)と付いているのは、この特徴に由来しています。
茎の断面が四角いのは、シソ科の特徴のひとつです。

ハナトラノオ 2 いかにもシソ科らしい唇形花

(追 記 2017.08.24