2017年8月29日火曜日

2017.08.29 身近な植物 (8月下旬 ➂) ハキダメギク ・ オオニシキソウ

(1)


近所で見た植物です。

舌状花の花弁先端がギザギザに3裂した、キク科の植物が生えていました。

ハキダメギク(掃溜菊) 1 キク科 コゴメギク属


ハキダメギク 2 何とかわいそうな名前なんでしょう


白い穂の目立つ、イネ科の植物が生えていました。

コスズメガヤ(小雀茅)でしょうか
同種は イネ科 スズメガヤ属(カゼクサ属)


コスズメガヤ?
コスズメガヤの花期は 8~10月とのこと


花を付けたオオニシキソウがありました。
この花を見ようと ずっと待っていたのです。
1mmほどの大きさの 小さな小さな花でした。

オオニシキソウ(大錦草) 1 トウダイグサ科 ニシキソウ属

オオニシキソウは、以下の属に分類されています。
 ・ ニシキソウ属  大場『植物分類表』(APGⅡ)
 ・ トウダイグサ属 米倉『日本維管束植物目録』(APGⅢ)

オオニシキソウが これら2属のいずれに属すのが適当であるのかという論議はさておき、この2属には 杯状花序の花を付けるという共通特徴があります。
杯状花序においては、花びらはありません。
上の写真を少し拡大して、花序各部の名称を書き加えてみました。

オオニシキソウ 2 杯状花序の各部の名称

同じような杯状花序をもつトウダイグサ属の植物を、参考のため以下に載せます。
両方の写真で唇の形をしたものが見えますが、どちらも蜜腺です。

参 考 ポインセチア(英 poinsettia)
トウダイグサ科 トウダイグサ属


参 考 ショウジョウソウ(猩々草) トウダイグサ科 トウダイグサ属

杯状花序については、長田武正おさ だ たけまさ先生の『野草の自然史』1979 講談社)に大変見事な解説があります。
ちょっと長くなりますが、ここに引用します。


   とうだいぐさ    とうだいぐさ科 杯状花序

 灯台草の意だが、いまの灯台ではなく昔の油皿をおく台のこと。 ひょろりと立つ茎の頂にハート形の葉が輪生、そこから四方ハ方に出た枝の先に小さな苞葉と花がつく。 このまん中に油皿をおくとの見たてである。

 同じ属のノウルシやイワタイゲキでは、苞葉が花の時期に黄色くなって虫を誘う。 花はあわ粒ほどの大きさで、いくつかかたまって苞葉の根元にある。 よくよく見れば、ぽっちりしたつぼの中から何本かのおしべと一本のめしべが顔を出し、つぼのへりには四個の黄色い腺体があって蜜を分泌する。

 かりにこれを私は花と呼んだが、考えてみると、花にしてはどうもおかしい。 花なら基本的な型があろう。 外側からがく、花冠、おしべ群がめしべをとり巻くという型である。 それなのに、これはおしべとめしべをでたらめにつぼに投げこんだだけで秩序がない。

 これは花ではない、小さな花序だとして杯状花序とよぶ。 さらに強いルーペで見れば、花糸はひとつの節を境に同じ太さの柄の上にのっている。 子房も同様である。 君よ、これを何と見給うや。

 おしべ、めしべのそれぞれは、地質時代の昔には五体そろった花だったものを、ただ退化ひとすじの道を歩き続け、一個のずいにまで縮小したのだという。 おしべ めしべの柄のルーツは花柄である。 つぼは小枝の先が変化したものである。

 がくも花冠もなく、一個のおしべにまで縮小した裸花。 全植物界にこれほど単純な花はない。 でも子房の構造は複雑で、原始の花とはほど遠い。 これは蜜の分泌まで花序にゆずって、ぎりぎりまで簡素化した花である。 花が退化した代わりに、花序が花そのままの形に進化したのである。 杯状花序も代表的な偽花である。



(2)


コニシキソウに似た植物が生えていました。
コニシキソウのような葉の斑紋がありません。
葉に斑紋のないコニシキソウでしょうか、それともニシキソウでしょうか?
ここでは「ニシキソウ(?)」としておきます。

ニシキソウ(錦草)(?) 1


ニシキソウ(?) 2 花序です


ニシキソウ(錦草) 3 茎の毛は少ないように見えます



出かけた時に見た植物です。

センニンソウ(仙人草) 1
キンポウゲ科 センニンソウ属(クレマチス属)


センニンソウ 2 十文字型の花が特徴的

(追 記 2017.08.30)