2017年12月15日金曜日

千葉県北西部の鳥見神社 (3) <白井しろ い 市・名内 な うち鳥見とり み 神社>

白井市には、鳥見神社が7社あります。
このシリーズでは、前回、前々回と そのうちの2社を取り上げました。
引き続き今回も、白井市にある名内鳥見神社を取り上げます。

白井市の工業団地の中央部を南北に走る道路を 北へと向かうと、急に道が狭まるところがあります。
その左手に名内鳥見神社があります。
所在地は、白井市名内〔字宮脇〕408番地です。

名内鳥見神社は 道路沿いにあります

この「鳥見」神社も、「とりみ」と読むようです。
『しろい散策マップ(改訂版)』(白井市教育委員会 2010)の P.26を見ると、そのようにルビが振ってありす。

鳥居と その左手の石塔群


7基の庚申塔 と 出羽三山碑(右端)


庚申塔 元禄7年(1694)


庚申塔 享保4年(1719)


鳥居の手前左側にある 出羽三山碑 2基 と 「敷石寄附連名」碑


靖国鳥居(石造)  両部鳥居(木造)

鳥居には 「鳥見神社」と書かれた神額が懸かっていないためか、地図によっては 「産砂うぶすな神社」または「月山がっさん神社」となっています。

石造の鳥居は、明治44年(1911)に建てられたものです。


境内に入ると右手に大きな石碑が並んでいます。

「日露戦役記念碑」 右には「明治三十七八年」

日露戦争は、明治37年(1904)2月に始まり、同38年(1905)9月に終わっています。
「明治三十七八年」と付することにより、日露間で戦闘が行われていた期間を明示し、悲惨な戦争の記憶をとどめようとしたのではないでしょうか。


「伊勢参宮太々記念碑」 2基


参 道


参道の左手にある「駒形明神」の祠(1871) と「大六天」の祠(1852)


参道右手にあった小祠


小祠の中 (不明)


大正2年(1913)発行の『千葉県印旛郡誌』の「白井村誌」には、村社 鳥見神社の一社として以下のように書かれています(後編 Pp.480)。

(19) 村社 鳥見神社

名内村 字宮脇にあり、面足尊おもだるのみことを祭る。

由緒不詳。

社殿 間口 2間3尺、奥行き 2間3尺
境内 208坪あり、氏子 52戸を有す。

境内3社あり、すなわち
1. 大杉神社  祭神・由緒不詳。 建物 間口 3尺、奥行き 3尺。
2. 大租神社  祭神・由緒不詳。 建物 間口 2尺、奥行き 2尺。
3. 猿田彦神社 申田彦命を祭る。 由緒不詳。
        建物 間口 2尺5寸、奥行き 3尺なり。

(『神社明細帳』より)


拝 殿


拝殿正面


拝殿の後ろにある本殿


本殿全景


神紋は 左三つ巴


横から撮った本殿


境内の石造物については、『白井町石造物調査報告書 ― 第二集 ― 』(白井町教育委員会 1987)を参照しました。