ローズマリー(英 Rosemary) 1 大きな茂みをつくっていました |
ローズマリーは地中海原産の常緑低木であり、江戸時代末期に わが国に入ってきたものだそうです。
英語名の「Rosemary」は、ラテン語による属名「Rosmarinus」からとられています。
綴りの文字は、いわば当て字であり、「Rose + Mary」の意味はありません。
ドイツ語では「Rosmarin」といいます。
ローズマリー 2 シソ科 マンネンロウ属 和名 マンネンロウ(万年朗) 学名 Rosmarinus officinalis |
和名のマンネンロウは、その漢字表記を「万年朗」や「万年蝋」としている図鑑もありますが、多くの場合は「迷迭香」と書かれています。
「迷迭香」を「マンネンロウ」と読ませる向きもありますが、「メイテツコウ」が正しい読み方でしょう。
本邦では 当初、「万年香」と呼ばれていたともいいます。
属名の「Rosmarinus」は、「ros」(露・水滴)及び「marinus(= maritimus)」(海の・海岸の)というラテン語に由来しているようです(研究社『羅和辞典』)。
ローズマリー 3 枝振り A 中間タイプ(下記➂)の株の 匍匐している部分の枝 |
交配でつくられた園芸品種を含め、非常に多くの種類があるようです。
➁ 匍匐性タイプ 枝が低く這う
➂ 中間タイプ ➀と➁の中間
ローズマリー 4 枝振り B この株は 中間タイプ(上記➂)の特徴がよく分かります |
シソ科らしく、葉腋に1cmほどの唇形の花を多数つけます。
ローズマリー 5 花 |
雫のように見える花は、属名の由来となったそうです。
葉は、2~4cmの線形です。
ローズマリー 6 葉 葉をもむと よい香りがします |
ハーブの一種であり、ギリシア・ローマ時代から薬用にしたり、肉料理の香辛料に使われてきたそうです。
以下は、この植物の名前に関わる余談です。
この名のついた有名な曲が2つあります。
この詩集は、マーラーの楽曲により、その名を広く知られています。
原文では脚韻を踏んでいるようです。
歌詞の内容を見ると、ちょっと驚きます。
Rosmarin 7 LIEDER FÜR GEMICHTEN CHOR Op.62 Nr.1 (1873/74) aus „Des Knaben Wunderhorn“ 原 文 1. Es wollt’ die Jungfrau früh aufstehn,
Wollt’ in des Vaters Garten gehn.
Rot’ Röslein wollt’ sie brechen ab,
Davon wollt’ sie sich machen
Ein Kränzelein wohl schön.
2. Es sollt’ ihr Hochzeitskränzlein sein:
„Dem feinen Knab’, dem Knaben mein.
Ihr Röslein rot, ich brech’ euch ab,
Davon will ich mir winden,
Ein Kränzelein so schön.“
3. Sie ging im Grünen her und hin,
Statt Röslein fand sie Rosmarin:
„So bist du, mein Getreuer, hin!
Kein Röslein ist zu finden,
Kein Kränzelein so schön.“
4. Sie ging im Garten her und hin,
Statt Röslein brach sie Rosmarin:
„Das nimm du, mein Getreuer, hin!
Lieg’ bei dir unter Linden,
Mein Totenkränzlein schön.“
| ロスマリン 7つの歌(混声合唱のための) 作品62 第1番 (1873-74) 『子供の魔の角笛』より 訳 文
1. 少女は朝早く起きて、
父親の庭に行こうと思った。 赤いバラを摘んで、 それでとてもきれいな花輪を 編もうと思った。 2. それは彼女の結婚式の花輪になるはずだった。 「私のすてきな若者のために、 赤いバラよ、私はお前たちを手折って、 それでとても美しい花輪を 編むつもりなの」 3. 彼女は緑の中を行き来して バラの代わりにロスマリンを見つけた。 「私の誠実な方、さてはあなたは死んじゃったのね! バラが見つけられないから、 とても美しい花輪どころじゃないわ!」 4. 彼女は庭を行き来して バラの代わりにロスマリンを摘んだ。 「私の誠実な方、これを受け取って! 菩提樹の下のあなたのそばに、 私の美しい弔いの花輪が置いてあります」 |