2016年7月27日水曜日

2016年 夏 郷土資料館の2つの催し

鎌ケ谷市郷土資料館で、以下の2つの催しが企画・実施されています。


1 写真展 思い出のなかの鎌ケ谷


「広報かまがや」 2016年7月15日号 掲載


https://drive.google.com/open?id=0B0eo8wCrTacCOWNoaklFTUI1UDQ
「写真展  思い出のなかの鎌ケ谷」 チラシ

郷土資料館の写真展示には、実に素晴らしいものがあります。
今回は、どんな珍しい写真が見られるでしょうか。


追 記 2016.08.15

展示の様子 1


展示の様子 2


展示の様子 3


入口に掲示されていた「鎌ヶ谷町全図」

この追記 おわり



2 郷土資料館 クールシェア企画


「広報かまがや」 2016年7月15日号 掲載


https://drive.google.com/open?id=0B0eo8wCrTacCRnhNd2o2LXJlajA
「郷土資料館 クールシェア企画」 チラシ

学芸員さんによる説明が聞ける またとない機会です。
ぜひ、足をお運びください。


2016年7月25日月曜日

2016.07.23 身近な植物 (7月下旬)

(1)


気持ちのよい夏の早朝、近くを散歩しました。

サルビア・ガラニチカ(学名 Salvia guaranitica) シソ科 アキギリ属
別 名 メドーセージ(英 Meadow Sage)


アメリカフヨウ(―芙蓉) 1 アオイ科 フヨウ属
別名 クサフヨウ(草芙蓉)


アメリカフヨウ 2 雌しべの柱頭が5裂しています 


ナシ(梨) バラ科 ナシ属 実が大きくなってきました


ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科 テンナンショウ属

仏炎苞に包まれていた多くの花々は、実へと成長しました。
仏炎苞は枯れて、もう失われています。


ヘクソカズラ(屁糞葛) 1 アカネ科 ヘクソカズラ属


ヘクソカズラ 2 別名は サオトメバナ(早乙女花)


ツユクサ(露草) ツユクサ科 ツユクサ属


カラスウリ(烏瓜) ウリ科 カラスウリ属 萎める花


アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏) トウダイグサ科 アカメガシワ属


ヌルデ(白膠木) ヌルデ属

ヌルデは奇数羽状複葉であり、その柄(葉軸)にはよくがあります。
とても特徴的な葉です。

白い乳液状の樹液を塗料として使ったのが、「ヌルデ」(塗る手)という名前の由来だといいます。
 

クサギ(臭木) 1 シソ科 クサギ属


クサギ 2 花のクロ-ズアップ


ヨツバムグラ(四葉葎) アカネ科 ヤエムグラ属


ビヨウヤナギ(美容柳)  オトギリソウ科 オトギリソウ属


キョウチクトウ(夾竹桃) キョウチクトウ科 キョウチクトウ属


シモツケ(下野) 1 バラ科 シモツケ属


シモツケ 2 クローズアップ


モモイロシロツメクサ(桃色白詰草)でしょうか
マメ科 シャジクソウ属
別 名 クローバー、 馬肥(うまごやし)


ルリマツリ(瑠璃茉莉) イソマツ科 ルリマツリ属


ムクゲ(木槿) 1 アオイ科 フヨウ属


ムクゲ 2 こちらは紫色の花


ハナヅルソウ(花蔓草) ハマミズナ科 アプテニア属
別 名   サンローズ(英 Sun Rose)、 ベビーサンローズ(英 Baby Sun Rose)

ハナヅルソウは、デロスペルマ・クーペリ(耐寒マツバギク)同じ科です。
これら2種の花は、大きさや形が違いますが、全体的な感じが似ています。

また、「ハナルソウ」と濁らずに表記される場合もありますが、大場秀章(編著)『植物分類表』(アボック社  2011)によると、「ハナルソウ」となっています。


 

(2)


立ち寄った先で見た植物です。

ヘメロカリス 「フランスハルス」
(学名 Hemerocallis fulva cv. Frans Hals)
ススキノキ科 キスゲ亜科 ワスレグサ属

ワスレグサ属(学名 Hemerocallis)は、キスゲ亜科の属のひとつです。
キスゲ属、ヘメロカリス属、カンゾウ属ともいいます。

ヤブカンゾウもワスレグサ属であり、きわめて近縁です。

以下の種の学名を見比べてください。

・ Hemerocallis fulva cv. Frans Hals  ヘメロカリス 「フランスハルス」
・ Hemerocallis fulva var. kwanso   ヤブカンゾウ
・ Hemerocallis fulva var. longituba   ノカンゾウ

属名だけではなく、種小名まで同じです。

学名についた「cv.」は、園芸品種であることを示します(cultivarの略)。
「cv.」に続く部分の「Frans Hals」は、園芸品種名です。

「cv.」を省略する場合には、「’Frans Hals’ 」と引用符で括ります。
よって、その場合の学名は「Hemerocallis fulva 'Frans Hals'」となります。

「Hemerocallis」や「fulva」の意味については、以下の記事をご覧ください。

➜  鎌ケ谷で見られる草本(12) ヤブカンゾウ

一般的に品種改良をした園芸品種を ヘメロカリスと呼んでいるようです。
上の写真のヘメロカリスについた品種名は「フランスハルス」。
17世紀にオランダで活躍した画家 フランス・ハルス(Frans Hals)の名前に由来するそうです。


以下の植物は、他の場所で見たものです。

ホウチャクソウ(宝鐸草) イヌサフラン科 チゴユリ属

ホウチャクソウの葉は互生です。
2つずつ対になって下がっている実は、秋になると青紫色に色づきます。


大きな葉をつけた灌木(低木)がありました


タマアジサイ(玉紫陽花)でしょうか アジサイ科 アジサイ属
茎頂には 丸い玉のような蕾がついていました

『葉っぱで見わけ 五感で楽しむ樹木図鑑』(ナツメ社 2014)によると、本種の葉は アジサイ類のなかでもっとも大きいということです。

他のアジサイ類と違い、その花期は遅く、夏から秋にかけて咲くそうです。
開花する前の花は総苞に包まれて球形をしており、名前の由来となっています。

(追 記 2016.07.29)


2016年7月18日月曜日

師戸川上流沿いの神社・仏閣 (印西市・草深)

(3) 生大師・大三宝荒神社

5 生大師


稲荷神社と妙光院から少し離れた場所に、生大師と三宝大荒神社があります。

『千葉県印旛郡誌』には、これらに関して述べられていません。

また、これらは 「迅速測図」や戦前の地図には載っておらず、戦後すぐの地図以降において認めることができます。

明治初期の「迅速測図」
大師堂 ・ 丸山観音堂  稲荷神社  妙光院


戦後の地図(1944~1954間のもの)
大師堂 ・ 丸山観音堂 (正しい地図記号は卍です)
稲荷神社  妙光院  生大師  三宝大荒神社

『印西町石造物 第三集 草深地区調査報告書』(前掲書)に 「生大師」として載っている場所には 大師堂が建っています。

「いきだいし」、「なまだいし」、「しょうだいし」 ―― どう読むのでしょう。

 

追 記 2017.01.21

印西大師について とても詳しいS・Eさんにお会いしたときに、「生大師」は 「なまだいし」と読むのだと教わりました。
ネットで調べても分からなかったので、とても有難かったです。

この追記 おわり


寺院の建物が見えてきます


大きな大師堂でした 「南無大師遍照金剛」の赤い幟

境内にある石碑の多くは、昭和の初めに造立されています。
それらのなかには、昭和4年(1929)の「籠堂建築記念碑」というものがあります。
これを見ると、昭和の初めに 大師堂の原形ができたのではないかと考えられます。


追 記 2017.01.26

S・Eさんが、『草深300年誌』から「生大師」に関連する箇所を書き抜いて送ってくださいました。

生大師の山崎氏は乗馬の名手であった。
明治末年、草深原の「大だまり」の周囲に馬場をつくり、草競馬をひらき、千葉・茨城の各地からこれに参加するものが多かったという。
大正から昭和の初期にかけ、「生大師」の名声とみに上がり、毎月21日の大師様の日には遠くから参詣するものあとをたたず、昭和2年には弘法大師の尊崇あつかった三宝荒神を大和国より勧請してこれを祭った。
これが現在「生大師」の寺院のわきにある「三宝荒神」の社である。
生大師山崎氏は弘海と号し、生きながら入定せんとしたが、警察の許すところとはならなかった。
(『草深300年誌』より)

うーん、すごいです。
実に貴重な情報です。
S・Eさん、本当にありがとうございます。

大師堂の後ろに、生大師・弘海に関係した建造物があることを教えられ、再度写真を撮りにいきました。

その建造物は、大師堂の裏にあります


大師堂の裏手に回って見たところ


建造物は、石で組まれています



奥には扉のようなものが見えます


上には「弘海」と彫られた碑があります

この追記 おわり


境内にあった地蔵堂


6 三宝大荒神社


生大師のすぐそばに三宝大荒神社さんぼうだいこうじんしゃがあります。

三宝大荒神社 鳥居と拝殿

この神社は、神仏習合の三宝荒神を信仰対象にしているようです。
詳しくは、以下をご参照ください。

➜  Wikipedia 三宝荒神

拝殿の手前に 石碑が建っていました。

三寳荒神 玉垣費奉納記念碑 昭和9年(1934)

『印西町石造物 第三集 草深地区調査報告書』(前掲書)には、三宝大荒神社境内にある奉納記念碑として、上記のものと昭和6年(1931)及び昭和12年(1937)のもの、合計 3基が報告されています。

拝殿前に建っている 3基の奉納記念碑

このことから、三宝荒神を祀る社は、昭和の初期までには できていたのではないかと推測されます。
社は、生大師の籠堂と同時期に建てられたのではないでしょうか。


後ろから見た三宝大荒神社 左は本殿、右は拝殿


2016年7月17日日曜日

師戸川上流沿いの神社・仏閣 (印西市・草深)

(2) 稲荷神社・妙光院

3 稲荷神社


谷津沿いに さらに東へと進むと、左手に石段が見えてきます。
稲荷神社の石段です。

稲荷神社 石段


石段を上りきったところに 鳥居があります


参道が続きます

大正2年(1913)発行『千葉県印旛郡誌』の「船穂村誌」内の「神社誌」には、稲荷神社について以下のように書かれています(後編 P.453)。

 (5) 村社 稲荷神社

惣深新田 字寺台てらだいにあり、保食神うけもちのかみを祭る。
由緒不詳。

社殿 間口 5尺、奥行き 5尺。
境内 264坪あり。
氏子 97戸を有す。

境内一社を祭る。即ち、
 ・天神社 菅原道真を祭る。由緒不詳。建物 間口 4尺5寸、奥行き 4尺5寸。

稲荷神社 拝殿


稲荷神社 本殿


4 妙光院


稲荷神社の境内は 妙光院へとつながっています

『千葉県印旛郡誌』の「船穂村誌」のうち、「寺院仏堂誌」には、妙光院について 以下のように書かれています(後編 P.455)。

 (4) 妙光院

惣深新田 字寺台にあり、天台宗泉倉寺末なり。
阿弥陀如来を本尊とす。
由緒不詳。

堂宇 間口 6間、奥行き 5間3尺。
境内 492坪あり。
檀徒 488人を有す。

妙光院 本堂


本堂内には「稲荷山」と書かれた扁額が懸かっていました


「稲荷山  妙光院 改築記念碑」

妙光院の山号は「稲荷山」。
稲荷神社と妙光院は、本来一体だったのではないでしょうか。

大師堂がありましたが、印西大師の「本番」や番外の札所ではありません


➜ 師戸川上流沿いの神社・仏閣 (印西市・草深)(3)生大師・大三宝荒神社