2016年7月11日月曜日

鎌ケ谷で見られる木本(13) フヨウ

7月上旬、友人宅で咲いたフヨウです。
開花してすぐに知らせてくれました。

フヨウ 1 アオイ科 フヨウ属 (落葉低木)
フヨウは 雌しべの先端が曲がるのだそうです


フヨウ 2 花柱が5裂しています

ハイビスカスなど、アオイ科 フヨウ属(Hibiscus)の様々な植物を、その柱頭部に着目して見てみました。
まず、ハイビスカスです。

ハイビスカス 1  アオイ科フヨウ属(非耐寒性常緑低木)
別名 ブッソウゲ(仏桑花、扶桑花、仏桑華)

ハイビスカスは、雌しべの柱頭が5裂していることがはっきりと見て取れます。

ハイビスカス(英 Hibiscus) 2
Hibiscus(ヒビスクス:フヨウ属) は「属名」でもあります

フヨウ属の植物を他にも見てみましょう。
木本のものと草本のものがあります。
以下のフヨウ属の植物は、昨夏撮影したものです。

アメリカフヨウ(―芙蓉)   アオイ科 フヨウ属 (宿根草)
別名 クサフヨウ(草芙蓉) 草本です
(2015.07.22 撮影) 


モミジアオイ(紅葉葵) アオイ科 フヨウ属 (宿根草)
この種は 花弁が離れています こちらも草本です
(2015.08.08 撮影)


ムクゲ(木槿) アオイ科 フヨウ属 (落葉樹)
長く伸びた花柱が特徴的 木本です
(2015.07.24 撮影)

アオイ科フヨウ属の中では、ハイビスカス、フヨウ、アメリカフヨウ、モミジアオイ、ムクゲなど、よく知られた植物の雌しべの柱頭は5裂するようです。

その一方で、同じフヨウ属のケナフの柱頭は3裂するとのことです。

いくつかのフヨウ属(Hibiscus)の植物を見てみましたが、それらの学名を以下にまとめて列記します。

 ・フヨウ     Hibiscus mutabilis
 ・ハイビスカス  Hibiscus rosa-sinensis
 ・アメリカフヨウ Hibiscus moscheutos
 ・モミジアオイ  Hibiscus coccineus
 ・ムクゲ     Hibiscus syriacus


同じアオイ科でも、ビロードアオイ属のタチアオイの柱頭は、かなり異なっています。
なお、タチアオイは、APGⅢ では ビロードアオイ属(Althaea)となっていますが、旧版のAPGⅡ では タチアオイ属(Alcea)となっていました。

タチアオイ(立葵) 1 アオイ科 ビロードアオイ属
 (一年草/二年草) 学 名  Althaea rosea
(2015.06.05 撮影)

雄しべの花糸は合着して筒状になっています。
雌雄異熟性で、先に雄しべが成熟して花粉を出します(雄性先熟)。

タチアオイ 2 先に成熟した雄しべ
(2016.07.07 撮影)

そのあと雌しべが、多くの花柱と細長い柱頭を伸ばします。

タチアオイ 3 雌しべの多裂した糸状の柱頭
(2016.07.07 撮影)

柱頭を見れば、フヨウの仲間(フヨウ属)か、タチアオイの仲間(ビロードアオイ属)か、すぐに分かります。


次の植物は、アオイ科 ゼニアオイ属(Malva)のゼニアオイです。

ウスベニアオイ(薄紅葵) 1   アオイ科 ゼニアオイ属 (宿根草)
学 名  Malva sylvestris var. mauritiana
(2016.06.07 撮影)


ウスベニアオイ 2 雄しべの上方に 多裂した雌しべの柱頭が見えます
(2016.06.07 撮影)

同じアオイ科でも、フヨウ属、ビロードアオイ属、そしてゼニアオイ属は、それぞれが異なった雌しべ、雄しべの形状をしていることが分かります。