2016年5月16日月曜日

鎌ケ谷で見られる草本(8) カタバミとその仲間

カタバミは、旺盛な繁殖力を持つ植物です。
高さは 5~20cm、地下に球根を持ち、匍匐茎を伸ばして地表に広がります。

カタバミ (片喰、傍食、酢漿草) 別名 雀の袴 学名 Oxalis corniculata
 カタバミ科 カタバミ属

属名の「オクサリス(Oxalis)」は、ギリシア語の「oxys(酸っぱい)」が語源とのこと。
葉や茎が蓚酸を含んでおり、酸味があることに由来しているそうです。
酢漿草さくしょうそうという和名もありますね。
酸素(oxygen)という言葉が、「酸(oxys)+生む(genen)」を語源としているのも同様です。

種名の「corniculata」は 「小さな角のある」という意味。
暗くなると 葉がたたまれ、傘をすぼませたような 尖った形になることに由来しているのでしょうか?

三出複葉 一枚一枚は ハート型をしています


花期は 5~10月 春から秋にわたります


花弁は5枚 花は陽が当たらないと すぐにしぼみます

カタバミの葉は 暗くなると、ハート型の小葉が閉じます。
すると、まるで半分だけ食べられてしまったように見えるので「片喰」と名付けられたといいます。

葉がどんな形に閉じるのかを調べるため、暗くなるのを待って、カタバミの写真を撮りました。

夜のカタバミの葉 (フラッシュ撮影)
下の写真のウスアカカタバミと同じ個体です 比べて見てください

上の写真に写っている葉の一つひとつをよく見てください。
なんと、三枚のハート型の複葉が、葉柄に付いている中心のところから、パタリと地面の方に向けて下がり、葉の裏同士はくっつき合っています。
たたまれた葉は、傘をすぼませたような形をしています。
「雀の袴」という別名は、ここに由来しています。

ビデオで早回し撮影してみると面白そうですね。


以下は、カタバミに近似する種です。

ウスアカカタバミ 学名 Oxalis corniculata forma atropurpurea
カタバミとアカカタバミの交雑種だといわれています

ウスアカカタバミの学名を「Oxalis corniculata forma tropaeoloides」としているものもあります(調べ中)。

アカカタバミ 学名 Oxalis corniculata forma rubrifolia
乾燥地に適応した カタバミの変種です

学名の「forma」の後ろに続く名前は 品種名です。
ハリソン『植物ラテン語事典』(原書房)に拠ると、ウスアカカタバミの「atropurpurea」は 「暗紫色の」、アカカタバミの「rubrifolia」は 「赤い葉の」という意味だそうです。

ウスアカカタバミとアカカタバミは、種としてはカタバミと一緒です。


オキザリス(カタバミ) 「名月のめぐみ」(流通名)
学名 Oxalis luteola 葉裏と茎が赤いのが特徴です

種名の「luteora」は 「黄色みがかった」という意味。
花の色から名づけられたのでしょう。