2019年4月12日金曜日

私の好きな作曲家(11) モーツァルト


モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart : 1756〜1791)の音楽は明るい。
誰よりも 明るい。
そして 上品である。

世の中に作曲家の〈天才〉とよばれる人は数多くあれど、本当の天才は モーツァルトとシューベルトだけではないのか?

私は暗い気持ちから抜け出せなくなったときにはモーツァルトを聞く。
弦楽四重奏曲の『狩』(1784)のような明るい曲もいいが、重症のときには、最後の特効薬のように 未完の大作『レクイエム』(K.626:1791)を聞く。


多くの素晴らしい演奏があるが、私には、カール・リヒターがミュンヘン・バッハ管弦楽団と同合唱団を指揮したものが向いている。
「キリエ」の二重フーガの箇所など、その緊迫感には息を飲む。

テレフンケンから出ていた LP で聞いていたときには、A面を聞き終わったところで針を上げていた。
B面は弟子のジュスマイアーにより補筆されたものであったからだ。
しかし、もしかすると 全曲聴きとおす緊張に耐えられなかったから、そうしていたのかも知れない。

CD で聴くようになってからは、なぜか最後まで聞きとおすようになった。
ただ、ものぐさになっただけなのだと思う。