マーラー(Gustav Mahler:1860〜1911)の交響曲は、その演奏においては、マーラー → ワルター → バーンスタインと、ユダヤ人の間でバトンが渡されてきたものが もっとも正統なものといえるであろう。
マーラーの長大な交響曲は、近来のテクノロジーの進展があって、われわれ庶民に身近なものとなった。
そういう点では、ブルックナーも同じだ。
最近では すっかり この演奏を聞かなくなってしまった。
しかし、この演奏が これまで、自分の興味・関心に及ぼした影響の深さは計り知れない。
LP のレコードジャケットには、歌詞の元となったと思われる唐詩が載っていた。
これを何度ながめたことか。
私が 中国の詩全般に興味をもつきっかけになった。
最近では、小さな室内合奏用に編曲したものを聞くことが多い。
シェーンベルクが1920年に着手し、リーンが1983年に補筆・完成したものである。
YouTubeでは PSAPPHA ENSEMBLE 等の演奏を聴くことができる。
このイギリスの演奏団体の名前は、クセナキスの作品名から取られているようだ。
このことは、編曲者が この曲の微細に至る点まで熟知していたことを示している。
見事としか言いようがない。
弦のセクションだけを見ても、弦楽四重奏にコントラバスが加わった 各楽器1本ずつの弦楽五重奏という小さな編成である。
楽器は、これに木管五重奏とピアノ1名、ハーモニウウム1名、打楽器2名が加わっただけの編成である。
指揮者を除いて、独唱者2名を加えた演奏者の総数は 16名。
大したものだ。