2019年4月7日日曜日

私の好きな作曲家(2) プーランク


プーランク(Francis Poulenc:1899〜1963)は、晩年に独奏木管楽器とピアノのためのソナタをまとめて作曲した。
フルート・ソナタ(1957)、クラリネット・ソナタ(1962)、オーボエ・ソナタ(1962)である。

中でも、オーボエ・ソナタは、その深さでプーランク自身や他の作曲家たちが作曲した管楽器のソナタを凌駕している。

この作品に聞かれる寂寥感は、他に聞くことのできないものだ。
友人 プロコフィエフの追憶に向けて作曲されたものであったが、プーランク自身がこの作品を書き上げたのちに亡くなっており、事実上の遺作となった。
最終楽章(第3楽章)は 「Déploration」(挽歌)と名付けられている。
作曲者自身への「挽歌」となった。

この曲に太刀打ちできる管楽器のソナタは、ブラームスが その最晩年に作曲した2曲のクラリネット・ソナタ〔 第1番(1894)・ 第2番(1894)〕しかないのではないか。


また、プーランクはカトリックの信者として、ア・カペラの宗教曲を数多く作曲している。
『クリスマスのための4つのモテット』(1952)も混声無伴奏の曲。
上の動画はオランダの Middelburgs Kamerkoor(室内合唱団) によるもの。
澄んだ響きがとても美しい。

この曲の中で 4曲目「Hodie Christus natus est」(今日、キリストが生まれた)は、いちど聞くと忘れられない。
2曲目「Quem vidistis pastores dicite」(羊飼いたちよ、汝らが見たものを語れ)も素晴らしい。
ぜひ、これらを一度でも聞いていただけると嬉しい。