イベール(Jacques Ibert:1890〜1962)の音楽は、どうしてあんなに明るいのだろう。
聞いていて、心が晴れ晴れとする。
私の大好きな曲は、『ハープ独奏のための6つの小品』(1917)だ。
その中でも2番目の「スケルツェット」がいい。
この曲はピアノ独奏用の版もあるが、やはりハープの方がずっと聞き映えがする。
イベールの娘さんはハープを弾いたという。
『木管五重奏のための三つの小品』(1930)も素晴らしい。
鎌フィルのメンバーが演奏会のときに、ラウンジで楽しそうに この曲で音合わせをしていたことを思い出す。機智に富んで明晰な曲調は、いかにもフランスらしい。
木管楽器と曲調がよく合っている。
ここには、フランスには生まれたが、ドイツ語圏では決して生まれることのなかった明澄な響きがある。