2019年4月17日水曜日

私の好きな作曲家(21) ブリテン


ブリテン(Benjamin Britten:1913〜1976)は  イギリスを代表する作曲家であった。
亡くなって すでに40年近く経つ。

私がクラシック音楽を聴き始めた〈青少年時代〉には、ブリテンの『青少年のための管弦楽入門』(1946 作曲)を毎日のように聞いた。
作曲者自身がロンドン交響楽団を指揮した この一曲を 17cm LP 盤の両面に跨ってカッティングしたレコードで聴いた。


〈ロンドン〉レーベルで出ていたものの一つであり、そのプレス用メタル原盤は 17cm LP 盤用とはいえ、イギリスで製作されたものを使っていたはずだ。

この曲が出来てまだ20年ほどしか経っていない頃には、この録音がすでに出回っていたことになる。
それから50年以上が経っている。
時の経つのは速いものだ。

私は、この曲によりオーケストラで使われる楽器の音色を学んだ。
この作品は学習用として優れているだけではなく、変奏曲やフーガとしても立派な構えをもっている。
副題は『ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ』である。
優れた作品であり、何度 繰り返し聞いても飽きることがない。

かなり後になってから、ヘンリー・パーセル(Henry Purcell:1659〜1695)の原曲・「劇付随音楽『アブデラザール』(英語の綴りは、"Abdelazer" または "Abdelazar")からのロンドー」(1695)を聞いた。
地味で端正な演奏が持ち味といわれたレイモンド・レッパード指揮のイギリス室内管弦楽団によるものだった。
当然のことながら、原曲のメロディーは、『管弦楽入門』の主題のメロディーと同じだった。
古い落し物に偶然巡り会ったような気がした。


ブリテンの作品では、オペラ『ピーター・グライムズ』(Peter Grimes:1945 作品33)から4曲の間奏曲を集めた組曲『4つの海の間奏曲』(Four Sea Interludes:1945 作品33a)が好きだ。
これらは爽やかな4曲であり、聞くだけで胸の痞(つか)えが下りる。

4曲には それぞれ標題が付いている。
・第1曲 「夜明け」     (Dawn)
・第2曲 「日曜の朝」 (Sunday Morning)
・第3曲 「月光」        (Moonlight)
・第4曲 「嵐」            (Storm)

バーンスタインがボストン交響楽団を振った「最後の演奏会」(1990年8月19日)のときの演奏が素晴らしい。

この演奏会の2カ月後には肺癌で亡くなった。

この最後の演奏会の記録は、私たちが等しく共有する宝である。